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フロア1 出現ビット レベル コモドドラゴン 30~33 テンシン カミナリオヤヂ セイレーニア ロックンバード ジャージマン バーナード カラテカ ネッケツリュウタ ベットバトル: アイテム:オレンジパワーラムネ 隠しアイテム: フロア2 出現ビット レベル コモドドラゴン 30~33 テンシン カミナリオヤヂ セイレーニア ロックンバード ジャージマン バーナード カラテカ ネッケツリュウタ ベットバトル: アイテム: 隠しアイテム:グロークリスタル フロア3 出現ビット レベル コモドドラゴン 30~33 テンシン カミナリオヤヂ セイレーニア ロックンバード ジャージマン バーナード カラテカ ネッケツリュウタ ベットバトル: アイテム:SLスクウェアリング、ショートクリスタル 隠しアイテム: ※マップ南東にいるこわいひとがクノイチを使ってくる
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東京・ルート246 英名 Tokyo R246 全長 5,116.7m ストレート 806m 高低差 23.2m コーナー数 15 タイプ オリジナルコース / シティサーキット 国籍 日本 道路 舗装 ピット ある/ない 天候変化 なし(GT~GT6) 時間変化 なし(GT~GT6) 登場 グランツーリスモ3 A-Specグランツーリスモ コンセプトグランツーリスモ4グランツーリスモ(PSP)グランツーリスモ5グランツーリスモ6 備考 逆走パターンあり。改修前の国立競技場やホンダ本社ビルなど観光施設も多し。 概要 国道246号線青山付近を舞台にした市街地コース。市街地コースとしては珍しくGT3からGT6まで長い間続投されていたコースだが、やはりソニーの本社ビルやホンダの本社ビルがあるのでポリフォニーの仕事上でも訪れる事があるような場所があるのもそのせいか。ちなみに、改修される前の国立競技場も見られたり、ホンダ本社ビルにはASIMO君がいたりとするので、観光気分でゆっくり走るのもあり。 ASIMO君が見守ってます。ホンダの本社があるところなので、ホンダ車にとっては鈴鹿やもてぎと並ぶホームグラウンドコースだろう。 ギャラリー
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登録日:2019/05/06(月) 16 45 12 更新日:2024/05/14 Tue 01 27 44NEW! 所要時間:約 26 分で読めます ▽タグ一覧 うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい だけどみんな救われねぇ どうあがいても絶望 どうしてこうなった なんだよこの展開… ネタが多すぎてタグに困る項目 ハートフルボッコ バッドエンド ラングリッサー 四面楚歌 孤独 後味の悪いオチ 悲しい結末 救いがない 発狂 皆殺し 皆殺しエンド 破滅ルート 絶望 衝撃のラスト 賛否両論 鬱展開 概要 破滅ルートへの突入の仕方 闇と帝国の最期、そして覇道へ 光輝との決戦…まさかの急転 絶望…そして破滅へ。 孤独の王 余談 ラングリッサーモバイルでは…。 概要 破滅ルートとは、SS版「ラングリッサー・ドラマティックエディション」で真・光輝ルートと共に追加された、「II」の独立軍ルートからさらに派生するルートである。 この度2019年4月18日発売のPS4&switch版にも収録された。 どんなシナリオなのかと言うと、文字通り本作の主人公のエルウィンが破滅するシナリオである。 …お前は一体何を言っているんだって?いやいやマジでこういうシナリオなんだよ!! 元々「II(デア)」のシナリオは、各勢力に秘められた「想い」が非常に丁寧に描かれていて、単純な勧善懲悪の物語になっていないシナリオ、妙に愛着が湧きやすい各キャラクターの設定と、ユーザーからの評価が非常に高い事で有名なのだが…。 この破滅ルートは他のルートとは一線を画した、あまりにもぶっ飛んだ衝撃的な内容故に、ユーザーたちの間で極端な賛否両論を引き起こす事になってしまったのである…。 破滅ルートへの突入の仕方 独立軍ルートに進む。 直後のシナリオ17において、ベルンハルトを退却前に撃破する。 シナリオ19で、エグベルトを生かしたまま増援のレオンを出現させ、エグベルトを撃破せずにレオンを撃破する。さらにベルンハルトからの「お前は何の為に戦っているのだ」という問いに「自分が天下を取る」と答える。 これで条件はクリアとなり、シナリオ20から破滅ルートへと分岐する。 SS版はヘインかソニアがウィザードに、ロウガがハイマスターになればテレポートを習得出来るので、シナリオ17で条件を満たすのはそう難しくは無い。 PS4 switch版は仕様変更によりウィザードもハイマスターもテレポートを習得出来なくなってしまったので、独立軍のメンバーの中にテレポートを使えるメンバーがおらず敗走するベルンハルトの下に自力で辿り着かなければならなくなった。 一度追いつけばベルンハルトが逃げに徹さずこちらに向かってくるので、レオンの移動力を伸ばしたりエストやオストを飛兵クラスにして突っ込めば追いつくのは可能。 以下、内容を記載するが、残酷とまでは言わないまでも少しきつめの描写があるので、そういうのが苦手な人は本当に注意して閲覧してほしい。 闇と帝国の最期、そして覇道へ レオンの誘いを受けて光輝の軍勢を裏切り、帝国軍に入ったエルウィンだったが、ラングリッサーを手に入れた事を契機に帝国軍を裏切り、ボーゼルの勧誘を受けて闇の軍勢へと加入する。 だがボーゼルが魔剣アルハザードの封印の儀式によって疲労困憊状態になった事で、エルウィンはチャンスとばかりにボーゼルをも裏切る事を決意。ボーゼルを殺害し魔剣アルハザードを手に入れ、闇の軍勢を壊滅させる。 光輝にも帝国にも、闇にも属さない独立軍として、エルウィンたちは遂に魔城ヴェルゼリアへと乗り込み、遂にベルンハルトを追い詰めたのだが、ベルンハルト皇帝の目から見た今のエルウィンは何をしたいのかわからない存在であった。 ベルンハルト「エルウィンよ。お前は何を望むのだ?」 エルウィン「なに?」 ベルンハルト「お前は何を望み行動している。自分のしていることが、本当にわかっているのか? すべての者を裏切り、何をしたい? 答えよ、エルウィン!」 エルウィン「そ、それは・・・・。」 いきなりのベルンハルトの問いかけに戸惑うエルウィンだったが、それでも自らの信念をはっきりとベルンハルトに告げたのだった。 エルウィン「俺が天下を取るためだ。」 ベルンハルト「・・・・素直なことだな。だがその考えでは先が見えたぞ。」 エルウィン「なに!?」 ベルンハルト「この先が知りたくば、余を倒してからにするがよい!」 果たしてエルウィンとベルンハルトの壮絶な一騎打ちが繰り広げられ、死闘の末に傷だらけになりながらもベルンハルトに勝利したエルウィン。 息を切らしながらもエルウィンは、先程の忠告の意味をベルンハルトに問い詰めたのだが。 エルウィン「これで帝国も終わりだな、ベルンハルト・・・・さて、聞かせてもらおうか。どう先が見えたというんだ?」 ベルンハルト「・・・・決まっていよう。我欲のために仲間を裏切れば、いずれは身を滅ぼす。その様な者が作る世界など砂城のようなもの・・・・。」 確かにベルンハルトが言う通り、エルウィンは光輝を裏切って帝国に入り、その帝国をも裏切って闇の一員となり、さらにはその闇さえも裏切ってここまで来た。 自分に信頼を寄せて来た大切な仲間たちを、その全てを裏切って、ここまでやって来たのだ。 さらに、そこまでして求めているものが、平和をもたらす意思でもなく、帝国への敵意でもなく、天下を取るという独りよがりな理由であるなら、相応の結末が待ち受けていることをベルンハルト皇帝は確信したのである。(*1) そんな男が統治する世界に、果たして未来などあるのだろうか。 そんな男が果たして、部下や民からの信頼を得られると言うのか。 それをベルンハルトはエルウィンに忠告しているのだ。 それでもエルウィンは、即座にベルンハルトの言葉を否定する。 エルウィン「まるで負け犬の遠吠えだな。お前だって力による支配を行っていたではないか! そして俺たちに負けた。どう違いがあるのだ!」 ベルンハルト「・・・・フ・・・・まあいい・・・・。いずれわかるだろう・・・・。」 それだけ告げて、息絶えたベルンハルト。 ベルンハルトが遺した最期の警告に戸惑いを隠せないエルウィンだったが、それでも己の信念は揺るがない。 エルウィン「・・・・フン・・・・。誰が統一しようと同じ事だ。地獄で見ていろ。俺は俺のやり方でこの世界を統一してやる!」 それだけの根拠がエルウィンにはあった。 持つ者に無限の力を与えるとされる聖剣ラングリッサー。 持つ者に魔族を統べる力を与えるとされる魔剣アルハザード。 今のエルウィンはその2本を手にしているのだ。それなのにどうして破滅などしなければならないのか。 だがそんな事よりも帝国と闇は滅ぼした。残る敵対勢力は光輝の軍勢だけだ。 彼らさえ滅ぼしてしまえば、最早エルウィンたちに太刀打ち出来る者は誰もいなくなる。 ヘイン「あとは光輝の末裔たちだね。あの連中さえ倒せば、敵はなくなるからね。」 ソニア「争いのない世界がもうすぐ実現するのね。」 エルウィン「よし、最後の戦いだ! 気合いを入れて行くぞ!」 仲間を鼓舞するエルウィンだったが…まさかベルンハルトの忠告通り、彼が本当に破滅へと堕ちる事になってしまうとは…この時はその場にいた誰もが想像していなかったのだった…。 光輝との決戦…まさかの急転 帝国を滅ぼしたエルウィンは仲間の魔族であるエスト、オストに、光輝の軍勢の隠れ家を捜索させる。 そしてエスト、オストに案内されたエルウィンたちは、海沿いの小さな砦へとやってきたのだった。 いよいよ光輝の軍勢を追い詰めたエルウィンは、シェリーたちに降伏勧告をするのだが。 エルウィン「もはやお前たちに勝ち目はない! 大人しく降伏しろ!」 シェリー「何を言ってんのよ! 今更そんなこと出来るわけないでしょ!」 エルウィン「シェリー・・・・。俺だって、本当は戦いたくないさ。」 かつて共に戦った仲間だからこそ、出来れば無用な争いを避けたい、降伏して欲しいと願ったエルウィンだったのだが。 だが次の瞬間、シェリーとレスターからの辛辣な言葉が、エルウィンの胸に突き刺さるのだった。 シェリー「だったら、どうして私たちの元から去ったのよ!」 エルウィン「だから、それは・・・・。」 レスター「どんな言い訳をしたって、信じらんねぇな。」 エルウィン「レスター・・・・」 レスター「お前はな、エルウィン。俺たちを裏切って帝国についた。その帝国も裏切ってボーゼルに味方した。そしてそのボーゼルさえも裏切った。そんな奴の言うことが信じられるかよ!」 レスターの言葉を聞いたエルウィンの脳裏に、先日のベルンハルトの言葉が思い浮かぶ。 すべての者を裏切り、何をしたい? 我欲のために仲間を裏切れば、いずれは身を滅ぼす。その様な者が作る世界など砂城のようなもの・・・・。 アーロン「そうじゃな。お前さんはそれだけのことをしたのじゃ。もはや解り合うことなどあるまい。」 武器を構え、襲い掛かってくるジェシカたち。 ベルンハルトの忠告通り、アーロンの言う通り、最早ジェシカたちはエルウィンに失望し、彼の言葉に全く耳を貸さなくなってしまったのだ。 止むを得ずエルウィンは仲間の命を守る為、ラングリッサーを構えたのだが。 だが次の瞬間、その場にいた誰もが予想もしなかった、とんでもない出来事が起きるのだった。 オスト「クックックッ・・・・。」 ソニア「どうしたの?オスト。」 エスト「・・・・裏切リ者メ・・・・。」 エルウィン「何を言っているんだ!?」 かつてボーゼルの洗脳から救い出し、エルウィンたちが目指す「人間と魔族の共存」の架け橋として快く仲間として迎え入れた、これまで苦楽を共にしてきた仲間であるはずのエストとオストが、突然エルウィンたちに襲い掛かってきたのだ。 一体全体何が何だか、全然意味が分からないエルウィン。 エスト「ぼーぜる様ヲ裏切ルコトハ、許サナイ。」 オスト「人間ハ、ミナ殺シニスル!」 エスト「死ヌガイイ、そにあ!」 まさかの裏切り…自分たちが信頼を寄せて来たエストとオストさえも、ボーゼルを裏切ったからという理由でエルウィンに牙を向いたのだ。 いきなりの出来事に戸惑いを隠せないエルウィン。 我欲のために仲間を裏切れば、いずれは身を滅ぼす。 またしてもエルウィンの脳裏に浮かんだのは、先日のベルンハルトのエルウィンへの忠告だった。 ベルンハルトの忠告通り、何度もの裏切りを繰り返してきたエルウィンは、最早大切な仲間の信頼さえも失ってしまったと言うのか。 ロウガ「クソッ! こいつら、最初からそのつもりでついて来たんだ!」 エスト「我々ハ、ぼーぜる様の目指シタ魔族ノ世界ヲツクル!」 エルウィン「そんな事はさせるか!」 果たしてエルウィンたち、光輝の軍勢、エスト&オストとの3つ巴の戦いが繰り広げられ…エルウィンは訳が分からないまま、自分と仲間の命を守る為にラングリッサーを振るい続けた。 その度に戦場に、怒りと悲しみの絶叫が響き渡る。 レスター「すまねえ、キース。これ以上、シェリーを守ってやれそうにねぇ・・・・」 シェリー「レスター! よくもっ!レスターまで!・・・・やっぱり、あなたたちには勝てないわね。今度生まれ変わるときには、エルウィン・・・・あなたと・・・・・・・・」 オスト「ウヲヲヲ・・・・スマナイえすと・・・・オ前ガ、ぼーぜる様ノ、理想ヲ・・・・。」 エスト「ウゥゥゥ・・・・ぼーぜる様・・・・申シ訳アリマセン・・・・」 アーロン「・・・・すまぬ・・わ・・わしの剣が・・・・通用せなんだ・・・・。」 エルウィンの手によって、戦場に次々と死体の山が出来上がる。 その惨状を目の当たりにしたジェシカは、いつかラングリッサーとアルハザードを封印して貰う為に、リアナとラーナを逃がして単身エルウィンに立ち向かうも…力及ばず敗北してしまう。 ジェシカ「光輝の末裔を・・・・導く使命を果たせず・・・・申し訳ありません・・・・ルシリス様・・・・」 力尽き、倒れるジェシカ。 まさかのエストとオストの裏切りに遭いながらも、それでもエルウィンは光輝の軍勢を壊滅させた。 リアナとラーナは逃がしてしまったが、それを考えるのは取り敢えずまた後だ。 エルウィン「終わったな。帝国も、光輝の末裔も・・・・。」 帝国も、闇も、光輝の軍勢も壊滅させた。 最早エルウィンを止められる者は誰もいない。エルウィンこそがこの大陸の覇者となったのだ。 エストとオストの裏切りは残念だったが、それでもエルウィンはラングリッサーとアルハザードの力を駆使し、これからこの大陸に真の平和をもたらなければならないのだ。 だがそんなエルウィンに、満身創痍ながらも立ち上がったジェシカが、捨て身のブラストの魔法を放ったのだった。 ジェシカ「・・・・うう・・・・私は・・自分の命に代えても・・あなたを・・・・止めなければなりません・・・・死になさい、エルウィン!」 ロウガ「危ねえ! ぐふっ!」 ソニア「お兄ちゃん!」 ジェシカ「・・・・はずした・・・・。」 ロウガが身を挺してエルウィンを守ったお陰で、エルウィンの命は守られた。 激痛でうずくまるロウガを心配し、介抱するソニア。 愕然とするジェシカだったが、そこへ誰もが予想もしなかった人物がエルウィンたちの前に姿を現したのだった。。 カオス「クックックッ・・・・。人間とは滑稽なものだな・・・・。」 エルウィン「この声は・・・・誰だ!?」 ジェシカ「・・・・カ・・・・カオス・・・・」 ヘイン「これが・・混沌の神カオスなの・・」 法と秩序を司る光の女神ルシリスと対極の存在である、混沌を司る神カオス。 そんな人物が何故、こんな所に姿を現したのか。 誰もが驚きを隠せない最中、次の瞬間カオスは、とんでもない事を口にしたのだった。 カオス「礼を言うぞ。人間よ。」 エルウィン「・・・・礼だと?」 カオス「お前はなかなか良い世界を作ってくれる。死と、絶望と、欲と・・・・。生と、希望と、理性と・・・・。すべてが入り混じった世界、混沌の世界。」 エルウィン「・・な・・・・!? 俺が、混沌の世界を作っている・・・・!?」 カオス「そうだ。今のお前は私の代行者のようなものだ。ボーゼルなどいなくとも、この世界を混乱させる。立派なカオス、そのものだ。」 エルウィン「違う!俺は・・・・。」 まさかのカオスの言葉に、動揺を隠せないエルウィン。 違う、そんな事はない。俺は今までこの世界を救う為に戦ってきたのだと。断じてカオスの代行者として戦ってきた訳では無いのだと。 頭の中でそう自分に言い聞かせるエルウィンだったが、それでもカオスはエルウィンを徹底的に追い詰めたのだった。 カオス「何を言おうとも、真実は変えられぬ。」 エルウィン「黙れ! 黙れ、黙れ、黙れ! 俺は世界を救うために・・・・」 カオス「ならば問う。世界を救うとはどのような事だ?」 エルウィン「そ、それは・・・・。混乱を収めて・・・・」 カオス「混乱を収めるために、新たな混乱を呼ぶのか? 面白いことを言う。」 ベルンハルト皇帝に対しては平和を求める意思を蹴って天下を取ると言い、そうかと思えば世界を救うと言い、なおかつすべての陣営に一度は付いてそれらを裏切ったエルウィンの一連の言行は、混沌と呼ぶに十分な理由だった。 しかしエルウィンは己の主張が二転三転していることに気づいていない。 エルウィン「・・・・・・・・。」 カオス「人間が何を言おうと、それは詭弁なのだ。」 愕然とするエルウィンに、ただ淡々と、事実のみを告げるカオス。 自分の言葉に動揺を隠せないエルウィンを見下しながら、カオスは笑みを浮かべながらその場を去って行ったのだった。 カオス「では、サラバだ。果てなきイバラの道を歩みしものよ・・・・。」 そんなエルウィンに今度こそ本当に止めを刺す為に、ジェシカは懐に隠していたスイッチを押す。 次の瞬間凄まじい地響きが発生し、砦が今まさに崩れようとしていたのだった。 ジェシカ「どうやら・・カオスも私と同じ考えのようですね・・・・。本来、相容れない存在であるカオスと同意見とは・・・・皮肉なものです・・・・。」 ヘイン「ジェシカさん、何を・・・・。」 ジェシカ「カオスの言葉で・・・・・・・・確信が持てました。」 ソニア「砦が・・・・崩れる・・・・!?」 ジェシカ「あなた達も道づれに・・・・」 それだけ告げて、事切れるジェシカ。 自分の命を捨ててでも、エルウィンだけは今この場で殺さなければならない…その為にジェシカは砦の自爆装置を作動させたのだ。 エルウィン「・・・・後悔・・・・。」 ヘイン「何をしているんだよ、エルウィン 早く逃げないと!」 エルウィン「・・・・あ、ああ・・・・。」 ヘインに促されて我に返ったエルウィンは、慌てて砦から脱出しようとしたのだが。 エルウィン「ソニア! ロウガ! 砦が崩れる! 早くしろ!」 ロウガ「・・・・今まで世話になったな。俺はここまでのようだ・・・・。」 ジェシカの渾身のブラストの魔法が、既にロウガの急所を貫いていたのだ。 ロウガの傷から血が止まらない。最早ロウガは助からなかった。 ヘイン「何言ってるんだよ!!そんなのロウガらしくないよ!!」 ロウガ「足手まといにはなりたくねえ・・・・。お前ら、さっさと逃げろ・・・・。」 ここで自分を助けに行ったせいで、エルウィンたちまで砦の崩落に飲み込まれるような事態だけは避けなければならないのだ。 せめてエルウィンたちだけでも…その覚悟でロウガはエルウィンたちに退避を促すが…ソニアだけはそっ…と、穏やかな笑顔で…ロウガに寄り添った。 ロウガ「何をしている・・・・。お前は行け、ソニア。」 ソニア「そんなこと、出来ないよ・・・・。・・・・もうお兄ちゃんと離れるなんて、嫌だよ。」 ロウガ「ソニア・・・・。」 ソニア「大好きだよ、お兄ちゃん。もし、生まれ変われたら、今度こそお兄ちゃんと・・・・」 ソニアの覚悟が揺るがない事を悟ったロウガは、しょうがねえなあと言わんばかりに溜め息をつきながら、ソニアの身体を抱き寄せる。 ロウガ「・・・・愛しているぞ、ソニア・・・・」 ソニア「お兄ちゃん・・・・。」 唇を重ね合うロウガとソニアを、崩落した瓦礫が情け容赦なく飲み込んだのだった…。 絶望…そして破滅へ。 エストとオストが裏切りの末に戦死し、さらにロウガとソニアまで砦の崩落に飲み込まれて死亡し…最早エルウィンに付き従う者はヘインのみとなってしまった。 自分がボーゼルの呪縛から救い、これまでずっと苦楽を共にしてきたエストとオストに裏切られた。 さらにジェシカの捨て身の策により、ロウガとソニアまで失った。 挙句の果てに突然現れたカオスに、これまでのエルウィンの想いを徹底的に否定され、自分こそがカオスその物だと認定されてしまった。 これらの事実が、エルウィンを情け容赦なく、徹底的に打ちのめしてしまう。 俺は今まで何の為に戦ってきたのか。世界を救う為に戦ってきたのではないのか。 人間と魔族の共存…互いに争わなくて済むような、ソニアのような人間と魔族の混血という異端者だろうと幸せに暮らしていけるような、そんな世界を作る為に、ボーゼルからアルハザードを強奪したのではなかったのか。 それなのに、その結果はどうなのか。 俺が今まで追い求めていた世界は、こんな物だったとでも言うのか。 エルウィン「・・・・違う・・・・俺が求めていた世界は、こんなモンじゃない!」 だがそんなエルウィンの気持ちをよそに、彼へのこれまでの恨みをはらさんと、次々と敵の手勢がやってきた。 レオン「何が違うというのだ。すべてはお前が選んだ道だ。」 エグベルト「自らの意志を持って行動する者は、自分の行ったことに責任を持たねばならぬな。」 最初に姿を見せたのはベルンハルトの敵討ちでありレオンとエグベルトだった。 ヘイン「レオン・・・・エグベルト・・・・。」 レオン「さあ、陛下の仇を討ちに来たぞ。戦ってもらおうか、エルウィン!」 エルウィン「嫌だ・・・・俺は、もう・・・・。」 泣きながら後ずさりをするエルウィンに、情け容赦なくレオンとエグベルトが襲い掛かる。 レオン「今さら泣き言を言うか! お前に戦う意志がなかろうと我々は貴様を倒す! そして、陛下の果たせなかった平和を、私の手で作るのだ!」 エグベルト「お主のような危険な男を生かして置くわけには行かぬ。」 互いに剣をぶつけ合うエルウィンとレオン。 互いに魔法をぶつけ合うヘインとエグベルト。 かくして壮絶な戦いを繰り広げるエルウィンたちだったが、その戦いの最中、さらにリアナとラーナが乱入してきた。 ラーナ「レオン・・・・。」 レオン「ラ、ラーナ・・・・。なぜここへ・・・・。」 ラーナ「彼らを倒すため。そして、ラングリッサーとアルハザードを封じるため。」 今のエルウィンには、ラングリッサーやアルハザードの力を引き出せる道理がない。 なぜなら、ラングリッサーは無限の力を持つとされるが、その力の本質は所有者に集った者の心をひとつにまとめる象徴に過ぎないし、アルハザードとてそれは同じで、対象が人々ではなく魔族になっているだけで本質は変わらない。 真の効果とは、集った者たち自身が本来持っている無限の可能性を引き出させ、結果的に数々の偉業を成し遂げさせるもの。 確たる信念無く裏切りを繰り返し、多くの者が死亡・離反し続けている現状では、この力を引き出す資格などあるはずもなく、封印すべき存在でしかなくなっていたのだ。 つまり、最早リアナとラーナまでもが、エルウィンを完全に『世界の敵』だと見放してしまったのだ。 その事実が、さらに追い打ちをかけるかの如く、エルウィンの心に絶望を与える。 エグベルトを吹っ飛ばしたヘインが、悲しみの表情でリアナに向き直ったのだが。 ヘイン「本当においら達と戦うつもりなの? リアナ。」 リアナ「私には分からない・・・・。教えて・・・・。どうしてこうなってしまったの?」 エルウィン「・・・・・・・・・・い・・・・」 リアナ「どこで歯車がずれちゃったの?」 エルウィン「・・う・・・・・・さ・・い・・。」 リアナ「ねえ、エルウィン! 答えて!」 悲しみの表情でエルウィンに問いかけるリアナだったが、最早エルウィンの心は完全に壊れてしまっていたのだ。 エルウィン「うるさい!」 リアナ「・・・・!!」 エルウィン「うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい」 今のリアナの前にいるのは、完全に発狂してしまったエルウィン。 かつてバルドーから自分を救ってくれた、帝国軍から必死に自分を守ってくれた、あの優しかった頃のエルウィンは…もうどこにもいないのだ…。 一体何故こんな事になってしまったのか。どこで歯車が狂ってしまったのか。 あの時…レオンがエルウィンを帝国軍に誘った時…エルウィンを無理矢理にでも、それこそ半殺しにしてでも力尽くで止めていれば…こんな事にはならなかったのか…。 エグベルト「どうやら話し合いにはならぬ様だな。強き者が弱き者を押しのけ、上へと歩むのは自然の摂理。単純にそう割り切って戦うが良かろう。」 ヘインのマジックアローを受けながらも何とか立ち上がったエグベルトが、淡々とエルウィンにそう告げたのだった。 もはやエルウィンの心は、自分を仇敵とするエグベルトからさえも哀れまれ、戦場の場でありながら敵から掛け値なしに助言されるほどの状態であった。 弱肉強食は自然の摂理。ならば勝った方が正義でいいではないかと。 そのエグベルトの言葉と同時に、再び戦いが再開された。 2対4…圧倒的に不利な状況でも、それでもエルウィンとヘインは必死に奮戦する。 ラーナ「私が貴方と戦うのは、貴方がレオンの敵だからよ!!」 ヘイン「エルウィンの敵は、おいらの敵だ!!」 互いに大切な人を守る為に、互いに魔法をぶつけ合うヘインとラーナ。 レオン「陛下の仇。そして、死んでいった多くの者たちのために」「負けはせぬ!」(*2) だがその壮絶な戦いの最中、遂にエルウィンのラングリッサーがレオンの左胸を貫いたのだった。 レオン「わ、私では・・・・勝てぬというのか・・・・。すまぬ、レアード・・・・。・・陛下・・・・・・・・・・・・・・・・ラーナ・・・・」 ラーナ「レオン!・・・・そんな・・・・。」 ヘインをブラストの魔法で吹っ飛ばし、怒りの形相でエルウィンを睨み付けるラーナ。 ラーナ「あなたが・・・・あなたがいなければ、こんな事には」「ならなかったのよ!」(*3) エルウィン「・・・・もう、やめよう・・・・。俺はもう・・・・。」 エグベルト「・・・・ここで逃げ出すことは許されぬぞ。お前は責任を取らねばならぬ。」 ラーナ「あなたは・・・・、あなたは身勝手すぎるわ! あなたのその態度が、いったいどれだけの人を傷つけたと思っているの!」 リアナ「・・・・もう、遅過ぎるのよ・・・・。」 帝国軍指揮官「我々はこの世界の平和のために、お前を倒す!」 そう、もう全てが遅すぎるのだ。 今更どうあがいても、最早エルウィンとリアナが元通りの関係になる事など許されないのだ。 ラーナ「あなたは、愚かよ。」 エルウィン「うるさい!」 ラーナ「あなたはレオンの仇。私にとってはそれで十分よ!」 だがそんなラーナの左胸を、ヘインのマジックアローの魔法が貫いていた。 ラーナ「ああ、レオン・・・・私、ダメだったみたい・・・・」 ラーナがヘインに殺された。 大切な姉を、大切な幼馴染が殺した。 その残酷な事実が、リアナの心を打ちのめす。 何故…何故こんな事になってしまったのか。 ヘイン「リアナ・・・・。」 リアナ「何も言わないで、ヘイン。もう何も・・・・。」 怒りと悲しみが入り混じった形相で、リアナの魔法がヘインを追い詰める。 ヘインを本気で殺しにかかるリアナ。 一方、エグベルトもついに斃れる。 エグベルト「・・・・う・・うう・・・・。どうせ尽きようとしていた我が命。ここで死のうとも、覚悟はしていた・・・・。」 だがそこへエグベルトを倒したエルウィンが、全身傷だらけになりながらもヘインを守る為に、必死の形相でリアナに襲い掛かった。 リアナを殺さないと、ヘインが死ぬ。 リアナを殺さないと、ヘインが死ぬ。 リアナを殺さないと、ヘインが死ぬ。 その残酷な事実が、エルウィンの身体を勝手に突き動かしていた。 リアナ「エ、エル・・・・」 エルウィン「何も言うな!」 目から大粒の涙を浮かべたエルウィンのラングリッサーが、遂にリアナの左胸を貫いた。 薄れゆく意識の中で、リアナは自分に止めを刺したエルウィンを、目に涙を浮かべながら見つめていたのだった。 貴方に討たれるなら本望よ…そうエルウィンに告げるかのような、とても優しい笑顔で。 リアナ「・・・・これでもう・・苦しまずに・・・・」 ヘイン「ごめんよ、リアナ・・・・。」 エルウィンは自分の手でリアナを殺してしまったという事実さえ、もはや直視しなくなってしまっていた…。 孤独の王 戦いは終わった。 確かにエルウィンは自らが望んだ通り、光輝も帝国も闇も、敵対勢力を全て滅ぼし、大陸最強の覇王となった。 だが全てを滅ぼしたエルウィンに残されたのは、ただ深い絶望と悲しみだけだった。 光輝も帝国も闇も壊滅し、確かに戦争は終わった。 だが、ただそれだけだ。 エストとオストに裏切られ、ロウガとソニアも失い、最早自分に付き従う者はヘインのみとなってしまった。 そのヘインを守る為に、今度はリアナまでも自らの手で殺さざるを得なくなってしまったのだ。 こんな救いもへちまも無い結末など、エルウィンは望んではいなかったのに。 何故、こんな事になってしまったのか。 エルウィン「・・・・なぜ・・人は争うのだろう・・・・。もう分からない・・・・。何が正しいのか・・・・。何が間違っているのか・・・・。」 ヘイン「エルウィン・・・・」 絶望するエルウィンの脳裏に、またしてもベルンハルトの言葉が思い浮かぶ。 我欲のために仲間を裏切れば、いずれは身を滅ぼすのだと。 ヘイン「エルウィン・・・・オイラ、何て言えばいいのか分からないけどさ・・・・。」 すっかり憔悴し切った表情でその場に座り込むエルウィンを、掛ける言葉が見つからずに悲しみの表情で見つめるヘイン。 またしてもヘインは、エルウィンに命を救われた…自分を殺そうとしたリアナを殺す事によって。 自分の弱さが、エルウィンにリアナを殺させるという愚行を犯させてしまったのだ。 そんな自分が、果たして一体エルウィンにどんな言葉をかけろと言うのか。 エグベルト「ただでは死なぬ・・・・。お前のような危険な男を残してはおけぬ・・・・。我が、究極の魔法で、消し去ってくれる!」 ヘイン「あ、あれは・・・・。」 だがそんな葛藤をする暇さえもヘインには与えられず、エグベルトが傷だらけの身体で立ち上がり、自らの命を触媒にした禁呪魔法をエルウィンに放とうとしていた。 エグベルト「我が命の炎よ!一瞬に燃え上がれ! 我が命の炎よ!この者を消し去れ!」 ヘイン「そうはさせないぞ!」 エグベルト「な、何・・!?」 そこへエルウィンを庇うようにヘインが立ちはだかり、エグベルトの禁呪魔法を受け止めたのだった。 ヘイン「オイラを甘く見るなよ! オイラの魔力を解放すれば、お前の魔法くらい消すことが出来るんだからな!」 憔悴し切った表情で、自分の代わりにエグベルトの禁呪魔法を受け止めるヘインを見つめるエルウィン。 エグベルトの禁呪魔法の影響で、ヘインの身体が今まさに崩壊しようとしていた。 俺のせいで、今度はヘインまで死ななければならないのか…!? そんな表情のエルウィンを励ますかのように、ヘインが穏やかな笑みを浮かべる。 エグベルト「・・・・貴様、死ぬ気か!」 エルウィン「やめろ、ヘイン! もうやめてくれ!」 ヘイン「ダメだよ、エルウィン。エルウィンはここで死んじゃいけないんだ。今まで死んでいった人たちの分まで生きなくちゃ。そうでなくちゃ、みんなの命が無駄になっちゃうよ・・・・。」 エルウィン「・・・・ヘイン・・・・。」 ヘイン「さよなら、エルウィン。これでやっと借りを返せる・・・・。」 自らの命を触媒にした禁呪魔法を放った事で、今度こそ本当に事切れたエグベルト。 だがその禁呪魔法を身を挺して受け止めた影響で、ヘインの身体もまた消滅してしまったのだった。 エルウィン「・・・・ヘイン・・・・どうして・・・・。これが・・・・これが、俺の望んだ結末なのか!? これが俺の望んだ未来だと言うのか!」 確かにエルウィンは自らが望んだ通り、大陸最強の覇王となった。 それはそうだろう。これまでエルウィンに関わって来た者たちは、もう全員死んでしまったのだから。 全てを失い、ただ1人生き残ったエルウィンを支えてくれる人は、もう誰もいないのだ。 絶望の表情で嗚咽するエルウィンを、夕陽の光が優しく照らし出す。 エルウィン「誰もいない、何もない・・・・。それが俺の望んだ終戦だというのか・・・・・・・・・・どうして、こんなことになってしまったんだ・・・・。」 周囲に必死に問いかけるエルウィンだったが…その問いに応えてくれる者は、もう全員死んでしまったのだ…。 エルウィン「教えてくれよ・・・・ヘイン・・・・。俺は、これからどうしたらいいんだ・・・・。」 エルウィン「ロウガ・・ソニア・・レオン・・ラーナ・・ジェシカ・・」 エルウィン「シェリー・・キース・・レスター・・スコット・・」 エルウィン「ボーゼル・・・・・・・・リアナ・・・・。」 精神に異常をきたしたエルウィンは、とうとう皆の幻まで見えるようになってしまっていた…。 エルウィン「誰か・・・・」 エルウィン「・・・・誰か教えてくれぇっ!!」 絶望し、発狂するエルウィン。 そのエルウィンの無様な姿を、天界からルシリスが悲しみの表情で見つめていたのだった…。 余談 とまあ見ての通り、この破滅ルートは救いもへちまも無い壮絶なバッドエンドではあるのだが、そんな中でも唯一と言ってもいい救いが1つだけある。 それは互いに惹かれ合いながらも、立場上敵対関係にならざるを得なかったレオンとラーナが、このシナリオだけはエルウィンという共通の敵を倒す為に、光輝と帝国という垣根を乗り越えて共闘したという点である(*4)。 だがその共闘もほんの僅かな間だけであり、結局2人共戦死してしまったのだが。 なおレオンを早期に倒せた場合、ラーナ(とリアナ)が規定ターンを待たずに現れ、レオンの死に悲痛の声を上げるシーンとなる。 結局このルートでエルウィン以外に生き残った主要人物は、カオスとルシリスの2人だけ。しかもルシリスに至っては登場すらしないのである。 他の主要人物は軒並み全員死亡という、なんとまあ壮絶な皆殺しエンドなのである…。 必然的に、キャラクターの後日談もエルウィンたった1人だけの紹介で終了するという寂寥感極まりないエピローグとなる。 当のエルウィンは「混沌の時代へ向かって歩き出す」という内容になっており、このルートの世界は平和とも支配とも異なる未来へ繫がることになる。 別ルートではカオスから、乱世を打ち破るには「ひとつの方向性を持つ力」が必要であると説かれる。つまり混沌=ひとつの方向性ではない行動を取っているエルウィンの今後は、乱世を打ち破る人物にならないことを意味している。 各陣営が各々の信念を持つストーリーがプレイヤーを惹きつける本作において、そんな中で信念を通せない主人公の姿はある意味大きな存在感を見せる。 また、独立軍ルートはヘイン以下仲間を喪わずに帝国の打倒を成功させたので破滅ルートと比較するとまだ救いがあるように見えるが、『ラングリッサー モバイル』で語られたアフターストーリーによると、 「まだエルウィンが改心する余地がある分救いはあるが、それまでに至る道中が割と凄惨である」事がほぼ確定している。 この破滅ルート、長らくSS版だけでしかプレイ出来なかったのだが、前述の通り2019年4月18日に発売されたPS4&switch版「I II」にも何をとち狂ったのか真・光輝ルートと共に収録され、再び容易に楽しめるようになった。 SS版では容量の都合からなのか、それともベルンハルト役の笹岡繁蔵氏が亡くなられたからなのか、ボイスとイベントムービーは一切無しだったのだが、こちらでは完全フルボイスで、一枚絵も2枚用意されている。 エルウィン役の酒井広大氏の迫真の演技もあって、SS版よりもエルウィンの絶望感がより増してしまっているので、本作を所有している方は是非遊んでみてほしい。 ………エルウィンの最後の絶望の嘆きに耐えられる覚悟があったらな……… ラングリッサーモバイルでは…。 2019年11月5日12時から11月25日23時59分までの期間限定イベントとして、闇ルートと独立軍ルートと共に何をとち狂ったのか破滅ルートが実装されていた。 ただし難易度はかなり高く、特に自前のキャラで挑むことになるステージは相当キャラを強化していないと太刀打ち出来ない程。少なくともエンドコンテンツである「永遠の神殿」をクリア出来る程度の実力は必要であった。 イベントのメインストーリーはイベントキャラで挑めるため、ストーリーを追うだけなら始めたての初心者でも根気良く挑めば可能だった。流石に要所要所の描写は大元の破滅ルートよりはマイルドになっている。 そして、ストーリー最終ステージのエルウィンのクラスは「覇者」となり、アイコンはボスクラスの敵ユニット専用のものにされている。 現在はイベントレビューにてプレイ可能。これにより光輝、帝国、破滅、独立軍ルートのアフターストーリー(少女たちの旅路)を網羅する形になり、関係する物としてエルウィンの覇王スキンが実装されている。 しかし、レオンの「運命の扉」にて登場するエルウィンの幻影がこの破滅ルートを示唆する恐ろしく不穏なことを口にする。 「ふふふっ……お前が英雄と呼んでいるその男が、本当に孤高の王にならないと確証が持てるのか?」 「本当にそうなった場合は、私が真っ先に倒す!」 このエルウィンの幻影を「唯我独尊の魔王」と唾棄しつつも、「エルウィン、お前は孤高の王になんてならない…そうだろう?」とレオンは独白するが……。 また、エルウィンの「運命の扉」は各エンディングのエルウィンとの戦いが描かれるが、最終章のタイトルは「孤独の王の道」となっている。 先述の『少女たちの旅路』においては、ラングリッサーを得ても特に目標も立てず行きあたりばったり気味に帝国を乗っ取った結果、国内の秩序は10年以上経過してなお混迷を極めており、無法者や帝国軍残党が跋扈して悪事を働くという無法地帯化。 ヘイン、ロウガ、ソニア、リアナは生存しており、リアナは用事がある時だけ帝国首都に足を伸ばす程度にし、エルウィンから意図的に遠ざかる形で孤児院を経営。 一方のヘインとロウガとソニアは王となったエルウィンを支えこそしているが、3人揃ってイエスマン化しており「エルウィンは間違ってない」と言いながら誰1人としてエルウィンの悩みすら聞こうとしておらず、ロウガ兄妹は尖兵となって反乱分子の制圧に精を出すという国として末期状態だった。 バルガスの娘、エミリアが立ち上がった事をきっかけにラングリッサーが沈黙を貫いていた原因、自らの過ちに気付いてリアナと再スタートを切る事が出来たが……ダメだこいつら… …だが、まだまだこれだけでは終わらなかった。 PS4版 switch版で追加された「I」の独立軍ルートでは、上記の破滅ルートすら遥かに凌駕する程の、とんでもない展開が待ち受けていたのである…。 エルウィン「教えてくれ冥殿…俺はこれからこの項目をどうすればいいんだ…アニヲタたちよ…wiki籠りたちよ…ラングリッサーのファンたちよ…制作スタッフたちよ…うるし原智志…凪良…だ、誰か…」 エルウィン「誰かこの項目を追記、修正してくれぇっ!!」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] セリフ捏造しすぎ やったことはないけど、読んでるだけでキッツイ。あらすじでこれなのだから本編やったらもっと絶望できるんだろうなあ。 -- 名無しさん (2019-05-06 17 07 15) セリフ部分がクドいからもっと削ってもいいと思う -- 名無しさん (2019-05-06 17 39 28) 何があろうとついてきてくれる人か、何があったら止めてくれる人か・・・どっちが幸せだったんだろうね -- 名無しさん (2019-05-06 17 51 53) 逆に何でその状態で信頼して貰えると思ったのか…… -- 名無しさん (2019-05-06 18 48 25) こんな救いもへちまも無い結末など -- 名無しさん (2019-05-06 19 15 25) あれ(リインカーネーション -転生-)と同じ位きつい・・・安くなったらⅠ・Ⅱ買うか -- 名無しさん (2019-05-06 19 28 48) 対してⅠの主人公は…あっちも酷いか。脳がぶっ飛んでる。 -- 名無しさん (2019-05-06 19 34 11) カオスって言うなれば闇側のボスだよな。それに「お前さすがに引くわー」みたく言われるって・・・ -- 名無しさん (2019-05-06 22 07 35) こんな事態になってもなお地上に介入してこないルシリス様…。 -- 名無しさん (2019-05-06 22 42 36) あらすじの内容見た限りだと、一々ツメが甘くて最悪の状況になってる感。 -- 名無しさん (2019-05-07 22 54 32) そもそも何でこんなルートを作ったwww -- 名無しさん (2019-05-07 23 54 47) これがフルボイスになってるのか…ラングリッサーよく知らないけど興味出てきた -- 名無しさん (2019-05-08 00 28 46) Iの独立軍ルートも、これと同じ位ぶっ飛んでるような気がする。まさかルシリス様が介入なさるとは思わなかったw -- 名無しさん (2019-05-09 22 46 42) 良くも悪くも主人公的精神だったのが不幸につながった感があるな。『俺は全てを敵に回して滅ぼしてでも全てをたいらげ、平和をもたらす』と固い意志を持っていれば、少なくとも、発狂することはなかっただろうに……。 -- 名無しさん (2019-05-10 15 40 16) 仮にランモバにこのルートが時空の裂け目に追加されたら保志さんがフルボイスでやることになるのか… -- 名無しさん (2019-05-10 21 18 50) 何があろうとついてきてくれるヘインと、何があったら止めてくれるリアナ -- 名無しさん (2019-05-11 00 02 41) ↑ヘインは恩義からエルウィンのイエスマンだし、リアナは光輝の使命から光輝軍以外は認めない思考で、なかなか極端なのがなんとも。 -- 名無しさん (2019-05-12 12 10 19) まあ、ルシリスは当人の項目でも言われてるが皆殺しになろうがなんだろうが秩序が保たれてるなら不干渉貫くし… -- 名無しさん (2019-05-12 12 24 25) ボーゼルにまで助けを求めてしまうあたり、本当にエルウィンは心が壊れてしまったんだなあ。 -- 名無しさん (2019-05-12 21 58 59) 最後は自死するしか解放される方法がなさそうなのが可愛そう -- 名無しさん (2019-05-13 17 34 51) ↑ヘインが死ぬなって言ってるから自刃はしないと思う -- 名無しさん (2019-05-13 23 43 53) ↑じゃあ衰弱死・・・って言いたいところだけど完全に発狂もしきれてなさそうだし死ねなさそうだな。その救いもなしか… -- 名無しさん (2019-05-15 09 44 14) 彼は名実ともに『大陸最強』の力を得たが、引き替えに失った物はより大きな物だった。すべてを失ったエルウィンの目には夕陽の色さえ血のように見えたという。 -- エンディングより (2019-05-17 07 47 54) 乱心のあまり、語るもおぞましいほどの暴政を行うものの、それが国民の反乱を促して討たれてしまう……って末路かな。エンディング後は。 -- 名無しさん (2019-05-17 11 44 20) 相談所に報告があった荒らしコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2019-05-18 10 31 22) 「それぞれの想い」に対する「己への過信」がトリガーか…一周目で突っ込んだ人は壮絶な体験だっただろうな… -- 名無しさん (2019-05-18 10 35 44) この作品自体、話の根幹の二つの剣を巡る言ってしまえばご都合主義の話…なんだけど、そのご都合主義が逆回転したらまあこうもなるよなっていう -- 名無しさん (2019-06-01 20 41 20) どこぞの覇王様みたいに正義をなすためには自らが悪になることも厭わないとか考えられたらまた別だったか?性格的にできない気もするが -- 名無しさん (2019-06-23 16 44 08) ↑本人はあくまでも正しいことをしている、いつか皆わかってくれるという思いで突っ走ってたからね… -- 名無しさん (2019-06-23 17 16 42) 「俺たちを裏切って帝国に付いた。その帝国を裏切ってボーゼルに付いた。さらにはそのボーゼルさえも裏切ってここまで来た。」ってやばすぎだろ エルウィンガチクズすぎる -- 名無しさん (2019-09-03 19 12 50) プレイしてたらエルウィンの行動が納得できるのだろうか。なんか力求めてるのはともかく、その力で何したいのかさっぱりすぎる -- 名無しさん (2020-04-16 23 07 11) ↑さっぱり過ぎたからこそのこの結末だろうか。「力が無ければ何もできない、ならばまずは力を求めよう、力さえあれば周りも自分に付いて来てくれるだろう」という理念で行動した結果かと。 -- 名無しさん (2020-04-17 03 17 51) 分岐が実装されてない頃から同じ光輝の末裔のレオンも真以外で分かり会える事なく終わるから光輝の末裔とか言うのはラングリッサーを使えるだけの人間なんだよな -- 名無しさん (2020-09-08 08 12 14) 裏切りしかしてねえ もはやなんだったら裏切らないんだって感じ -- 名無しさん (2020-10-17 18 49 15) 独立ルートで一応世界平和になってるのと比べると違和感あるんだよな あのルートもスコットやローレンのサルラス虐殺して(後のカルザス攻めと比較してもほぼ一方的に戦い仕掛けて情報封鎖のために皆殺し、救う気ゼロ)やらかしてもEDでリアナには一応褒められるのはアレだが -- 名無しさん (2020-10-20 03 26 44) ボーゼルを裏切るのは一応ロウガの言うように「これで勝っても魔族だけが喜ぶ世の中だ、エルウィンなら人類魔族共存の道が作れる」というなぜか超高評価にソニアが納得するというものだが -- 名無しさん (2020-10-20 03 29 09) 独立ルートでも追加された破滅ルートでも三度裏切ることは同じ、ただ「世界平和のため」か「俺が王になる」を優先したか そんな感じの差しかないのだ -- 名無しさん (2020-10-20 03 32 07) エルウィンはどうやって混沌を収める気だったのだろう。力で支配する手段であっても力を見せれば皆降伏して従うしかなぃと思ってたのだろうか -- 名無しさん (2020-11-03 06 40 25) これ独立ルートでアーロンとベルンハルトに問いかけられた時に「俺が支配するためだ」的反応しないだけでいいんですわ 記事に書いてあるように他にも回避手段はあるが そのあたり差がつきすぎ -- 名無しさん (2020-11-03 22 40 46) モバイルはやった事無いけど、独立ルートの後日談がそんな事になってたのか・・・リアナと和解して復縁出来たのはせめてもの救いかな。結婚は出来たのかな? -- 名無しさん (2020-12-06 23 16 03) ↑リアナとは復縁して、「やっぱり平和に近道はない」ということで二人で旅に出る。なおヘインは「一緒には行けないから」と残る。ただ、独立と破滅の折衷ルートみたいなものだから、エルウィンのメンタルがだいぶ弱ってて、独立ルートみたいな力強さとか自信は全くなくなってる。ロウガとソニアの扱いが雑だったこともあって、Ⅱファンの中には不満を持った人もいるっぽい。 -- 名無しさん (2021-01-07 23 56 41) ゲーム違うけど風花雪月で一番見たかったルート 教団裏切って帝国に寝返ったかと思えば闇うごに従い、最後には闇うごも裏切るみたいな -- 名無しさん (2021-09-14 18 50 20) FX版の独立軍ルートでリアナを死なせてしまった場合、エンディングでリアナの亡霊がエルウィンとキスをするシーンが印象的だった。フルリメイク版では何故か削除されてしまったのは残念。 -- 名無しさん (2021-09-14 22 46 08) ↑6 戦争起こそうとするやつ全部潰せば戦争起きないでしょ、くらいの考えじゃないかなぁ -- 名無しさん (2022-07-08 15 04 53) 闇ルート突入「ラングリッサー今持ってるのは俺だしワンチャンいけんじゃね?」独立ルート突入「ラングリッサーあるしボーゼルはアルハザードの封印解いて弱ってるしこれ聖剣と魔剣揃えたら最強じゃね?」みたいな感じで理念もクソもなく目の前の餌に飛びついてる印象 -- 名無しさん (2022-12-20 01 50 43) ↑ そして最後の選択肢「聖剣・魔剣両方持ってて俺が最強だし、俺が天下取れば良いよね。圧制からの解放とか平和とか知らん」 完全に手段の為に目的を見失った男。 -- 名無しさん (2023-03-18 01 11 33) ↑一番上 作中の科白に修正しましたが、それに伴い、作中で確認できなかったやりとりを元にした解説部分をいくつか除去せざるを得ませんでしたことを申し上げておきます。 -- 名無しさん (2023-07-22 21 50 08) 名前 コメント
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STAGE4概略PM2 10 図書館 PM3 30 下駄箱前廊下下駄箱で倒した場合(フラグ1~3) 倒さなかった場合 自動販売機前で倒した場合(フラグ4) 倒せなかった場合 共通ルート PM3 45 一年教室前廊下 PM4 00 1年C組教室 STAGE4概略 図書館から始まり、移動しまくり最後は一年生の教室で終わる。 圧倒的に一年生が多くでる。黒田マコの水着狙いもあるが水着はそれだけで、体操服は少なめ。 PM2 10 図書館 ノーボム前提攻略 (ボム有りの場合は3~4人以上居るところで使うと効果的です) 名前の色がグリーンの子は体操服です。ブルーの子は水着です。 黒田3姉妹のみ衣装は()で表現します。 始まって過ぎに左を見ると中央に隠れている山本みなもの頭が見えるが、ここでは撃たないでおく。 さらに左に動き出すと山本みなもが立ち上がるので、ここで腰を撃つ。 画面が止まると画面内に他に4人居るのが見える。 まず左に真鳥友恵その奥に里中るる。中央奥に相羽 凛、画面右端の本棚の影に三戸早苗。 とりあえず中央の相羽 凛の胸を狙って倒しておく。 少し待つと右の三戸早苗が出てくるので、腰を撃つ。 すると左の真鳥友恵が立ち上がるので胸を撃つ。 右からは高梨双葉が走ってくるので止まったところで胸。 まだ画面左奥に里中るるが居るが、ここでは撃たない。 画面が上に動き2階に左から、石原美由、富士見照、浜岸 凪が立っているのが見える。 柵越しに石原美由のふともも、富士見照の胸、浜岸 凪の腰を撃つ。 すると画面が急速下降、右手前に鮫島あかりが居るのが見える。ここでさっき左奥に居た里中るるが立ち上がる。 まず鮫島あかりの胸を狙い、大急ぎで左の里中るるの胸を撃つ。里中るるのを撃つ時間は少ないので先に里中るるを撃ってもいいがその場合は鮫島の告白に注意。 画面が本棚の間に寄るので画面中央あたりに照準を持ってきておく。 まず隙間左から三条さくらが出てくるので胸を撃つ。照準は真ん中のまま。 次の隙間では左から月宮まどか、右に白銀 雪が居るのでこれも腰、胸と撃つ。ここは時間がほとんど無いのでここだと思ったら迷う前に撃つ。 3つ目の隙間では右から草壁五十鈴が顔を出しているので顔を撃つ。 画面が右に旋回、左手前に村雨つづみ、右に一之瀬里香が居るのでそれぞれ顔、腰で撃つ。 すると倒した村雨つづみの頭右奥に山本みなもが見えるので、腰を撃つ。ここの山本みなもは告白タイミングで背伸びしたときにESが狙いやすい。 画面右からは田中力子がかけてくるので胸を撃つ。 画面左奥、カウンター内に左から相羽 凛、月宮まどかといる。右からは真鳥友恵が走りこんでくる。 まず真鳥友恵の腰を撃って、カウンター内の2人の胸、腰あたりを狙う。このあたりも時間が少ないのである程度のミスは覚悟前提でいく。 手前左から里中るるが走りこんでくるのでここは胸。カウンター前の流れは撃つ順番などにより出現タイミングが異なるので、場所だけ覚えておいて後は臨機応変に。 少し移動した後に右を見ると右に高梨双葉が居る。胸を撃ってそのまま画面中央に照準を合わせて連打。うまくいくと鮫島あかりのESが取れる。 上記で逃した場合左に移動した後の、左移動で再び鮫島あかりが出てくるのでそこで撃っておく。胸。 画面が左旋回しカウンター画面。カウンター内から左に相羽 凛、右に月宮まどかが立ち上がってくるので、立ち上がったところを胸、腰と撃つ。 画面が左旋回。画面中央に三条さくらが居るのでさくっと胸を撃つ。 さらに左旋回すると画面左寄りに白銀 雪が居るので胸を撃つ。 画面奥に右から飛んできた草壁五十鈴が見えるのできっちり顔を狙う。 少し進み右を向くと左右の本棚の影に4人居るのが見える。 左手前が三戸早苗でその奥が里中るる、右手前が一之瀬里香、その奥が山本みなも。ここでは撃たないでしばらく待つ。 すると画面右手前に村雨つづみが出てくる。さらにしばらく待っていると、里中るると一之瀬里香が飛び出してきて、さらに三戸早苗と山本みなもも飛び出してくる。この間村雨つづみの攻撃を食らうことになるが甘んじて受ける。 4人とも飛び出してきたら腰を狙い定めて4人を倒し、村雨つづみも頭を狙い倒す。 二階への階段をあがると富士見照が走ってくるので腰を撃つ。 少し左を向くと奥に浜岸 凪と石原美由が見えるが撃たない。 待っていると走ってきて正面に来てくれるので、ここで2人とも腰を狙って撃つ。 2階を移動し左に曲がったところで栗林怜奈先生登場。胸を狙って連打。 倒すと真後ろから真鳥友恵が走ってくる。すぐに撃ってもいいが一瞬コケそうになるので、きちんと立ち上がってから胸を狙う。 その後ろに高梨双葉も居るのできっちり胸を撃つ。 画面左下に移動、左側に左から三条さくら、白銀 雪と見えて、右の奥には草壁五十鈴が見える。 ここで狙うのは草壁五十鈴だけで顔をしっかり撃つ。3人とも後で出てくるが、草壁五十鈴だけは一瞬なのでここで撃っておいた方がいい。 2階奥から一階に戻る途中カウンターを振り向くと草壁五十鈴が居る(先ほど倒していれば出ない)大急ぎで顔。 一階に降りて画面が止まると左から先ほどの2人が走ってくる。右に白銀 雪、左に三条さくら。2人とも胸を狙って確実に倒す。 少し前に行き左を見ると左手前に相羽 凛、右中段に月宮まどかが居るので相羽 凛の胸、月宮まどかの腰を撃つ。 奥左のカウンターに田中力子が立ち上がってくるので胸を撃つ。 画面右からは一之瀬里香が走ってくるので腰を撃つ。 右を振り向くと東美千代先生が立っているので腰を連打。 上へ PM3 30 下駄箱前廊下 ノーボム前提攻略 (ボム有りの場合は3~4人以上居るところで使うと効果的です) 名前の色がグリーンの子は体操服です。ブルーの子は水着です。 黒田3姉妹のみ衣装は()で表現します。 始まって直進した後、右の下駄箱を見ると藤沢このりが顔を出しているので顔を撃つ。 左にスクロール中に滝沢夏子が出てくるので腰を撃つ。 右を向いてトイレ前。 滝沢夏子を倒していないとここで再び出てくる。アップで来るので後ろの2人が狙いづらい。 左の女子トイレから小鹿野美夏と彩門鷹子が出て来るので止まったところを腰狙いで撃つ。 再び下駄箱を進み、左を見ると画面左アップで塚田ふみが居る。あせらず腰(画面一番下) 右にスクロールで星野さつき。これも腰。 右を向くと画面右の下駄箱の陰から古橋桃香が、奥を左から右に走る島原京香が見える。 できるならここで島原京香を倒しておきたい(黒田マコ(水着)フラグ1)ところ。狙いは腰。 古橋桃香は顔を撃てばいい。 右に旋回して再び島原京香が左から右に走っていくので腰。(黒田マコ(水着)フラグ2) 左下駄箱から鈴野芽衣が、右下駄箱からは三条さくらがでてくるので腰を狙って撃つ。 右に旋回すると階段を駆け下りてくる西条かざみが居るので、足を撃つ。 左奥からは山本みなもが寄ってくるので腰を撃つ。 下駄箱左から白銀 雪、右からは富良野良子が出てくるので胸を狙う。 3度目の島原京香が左から右へ走り抜けるので腰。(黒田マコ(水着)フラグ3)) ここでの島原京香の倒し方により分岐 下駄箱で倒した場合(フラグ1~3) 左を向くと中央に左から橘つぐみ、木林くみ、春野つぼみが居る。この時点で男子トイレ内には黒田マコ(水着)が居る。 時間が限られるので速攻で倒すこと。橘つぐみが胸、他は腰。 3人を倒すと男子トイレの中から黒田マコ(水着)がでてくるので胸を撃つ。 左に旋回し下駄箱を見ると4人登場している。 手前左が月宮まどか、右が藤沢このり。奥左が滝沢夏子、右が古橋桃香。 月宮まどかは腹、藤沢このりは顔、滝沢夏子は腰、古橋桃香は顔を狙う。 倒すと小鹿野美夏と彩門鷹子が下駄箱を時計回りにぐるぐる回って走り出す。 しばらく待っているとまず、彩門鷹子が画面手前で止まり告白してくるので胸を撃つ。 さらにしばらく待っていると小鹿野美夏が奥で止まり、告白してくるのでこちらも腰を撃つ。走り回っているところの腰に軸をあわせて連打して倒してもいい。 下記共通ルートに進む。 倒さなかった場合 画面が右に旋回し一瞬だけ島原京香が見えるがすぐに自動販売機のほうに消える。(黒田マコ(水着)フラグ4)ここでの島原京香を倒すのは結構大変。富良野良子を倒したあたりで画面中央の下半分の真ん中あたりに照準を合わせ、連打すれば倒せないことは無い。(ボムありなら迷わずY連打) ここでさらに分岐 自動販売機前で倒した場合(フラグ4) トイレ前に戻ると黒田マコ(水着)がアップで立っていてラブレター攻撃をしてくる。狙いは胸。 下駄箱に向かうとそこには誰も居ない。 下駄箱の周りを小鹿野美夏と彩門鷹子が右回転に走り回ってるのが見える。 しばらく待っているとまず、彩門鷹子が画面手前で止まり告白してくるので胸を撃つ。 さらにしばらく待っていると小鹿野美夏が奥で止まり、告白してくるのでこちらも腰を撃つ。走り回っているところの腰に軸をあわせて連打して倒してもいい。 下記共通ルートに進む。 倒せなかった場合 自動販売機からトイレ前に戻ると島原京香がアップでいるので腰を撃つ。 下駄箱に向かうとそこには誰も居ない。 下駄箱の周りを小鹿野美夏と彩門鷹子が右回転に走り回ってるのが見える。 しばらく待っているとまず、彩門鷹子が画面手前で止まり告白してくるので胸を撃つ。 さらにしばらく待っていると小鹿野美夏が奥で止まり、告白してくるのでこちらも腰を撃つ。走り回っているところの腰に軸をあわせて連打して倒してもいい。 下記共通ルートに進む 共通ルート 右旋回してトイレ前に向くと3人居る。 左から、橘つぐみ、木林くみ、春野つぼみ。狙うは橘つぐみは胸。木林くみと春野つぼみは腰。 右奥に藤野沙織先生が走ってくるので腰を連打。 右左にきょろきょろした後に右を見ると5人登場。 右から左に奥になっていく。右から白銀 雪、月宮まどか、鈴野芽衣、富良野良子、三条さくら。 三条さくらの遠距離告白が早いのでまず倒しておく。狙いは胸。 後は手前から順に白銀 雪を胸、月宮まどかを胸、鈴野芽衣を腰、富良野良子を腰と撃って倒す。 上へ PM3 45 一年教室前廊下 ノーボム前提攻略 (ボム有りの場合は3~4人以上居るところで使うと効果的です) 名前の色がグリーンの子は体操服です。ブルーの子は水着です。 黒田3姉妹のみ衣装は()で表現します。 開始直後に右の柱の影に春野つぼみが居るがまだ撃たない。 少し前に進むと春野つぼみが飛び出てくるので腰を狙って撃つ。 奥に3人と本棚の影に木林くみが出てくる。奥の3人は左から高田沙希、水島七恵、小杉ねね子。 木林くみは少ししないと出てこないのでまず後ろの左2人を撃っておく。 高田沙希はふともも、水島七恵は腹。 木林くみが飛び出しているので腰を撃つ。小杉ねね子の頭を撃つ。 画面右の柱に天野麻理が顔を出すが、ここでは撃たない。 少し前に行くと天野麻理が飛び出してくるので腰を撃つ。 直後前方からアップに筒木めぐる、筒木めぐむが出てくるので、顔をそれぞれ撃つ。 右のロッカーの陰に塚田ふみが見えるがまだ撃たない。 塚田ふみが撃てるようになるまでに、奥からは夏樹マリア、左の廊下からは田中力子が出てくる。 まず塚田ふみの腰を撃って、奥の夏樹マリアの胸を撃つ。あせらずに田中力子の胸も撃って倒す。 前に進んで左の通路を見ると3人居るがここでは撃たなくていい。 バックして廊下に戻るとさっきの3人が追ってくる。 まず右に田多野愛、左に姫野亜里沙が来るので田多野愛の腰、姫野亜里沙の顔を撃つ。 少し遅れて村雨つづみが来るのでこれも顔を撃つ。 左の柱から坂口 霞とその奥に水島七恵が、右の通路からは高田沙希が出てくる。 まず左の坂口 霞の腰を撃って、そのままの流れで奥から向かってくる水島七恵の胸を撃つ。 さらに右に居る高田沙希の足を狙って倒す。 バック移動中に左から山本みなもが出てくるので腰を撃つ。 右の廊下から鮫島あかり、田中力子、二ノ宮静香が出てくるので、鮫島あかりの胸、田中力子の胸、二ノ宮静香のふとももを狙って撃つ。 少しバックし振る返ると、画面中央に筒木めぐる、右奥に筒木めぐむが居る。手前から順に顔を撃っていく。 ちょっと左に曲がると藤野沙織先生が居るので腰を連打。 右上にねね子、中央奥に木林くみが出てくるので小杉ねね子の顔、木林くみの腰を撃つ。ここは出現後少し上に画面がずれるので、画面が動き終わってから撃った方がいい。 左を振り向くと再び風紀3人組。手前に田中力子、左奥に鮫島あかり、右奥に二ノ宮静香。 田中力子(胸)、鮫島あかり(胸)、二ノ宮静香(ふともも)と撃破しておく。 上へ PM4 00 1年C組教室 ノーボム前提攻略 (ボム有りの場合は3~4人以上居るところで使うと効果的です) 名前の色がグリーンの子は体操服です。ブルーの子は水着です。 黒田3姉妹のみ衣装は()で表現します。 開始後左を向くと姫野亜里沙、夏樹マリア、高田沙希が走りこんでくるので姫野亜里沙の頭、夏樹マリアの胸、高田沙希の太ももをうつ。 すると手前に左から、水島七恵、田多野愛、小杉ねね子の順に走ってくるので、順番に撃つ。右から胸、腰、顔の順。 廊下の窓に画面移動で左に橘つぐみ、右に坂口 霞がいるので二人とも腰を撃つ。告白には注意。 すると入れ替わりでこんどは左に古橋桃香、右に春野つぼみがくるので、古橋桃香の頭、春野つぼみの腰を撃つ。 左に向くと山本みなもがしゃがんでいるが、すぐに立つので立ったところを腰。 奥のドアの向こうに木林くみが出て来るでのこれも腰。 さらに後ろに笹穂くるみが来るので今度は顔。 左旋回、教壇の上に田中力子が居るので胸。 少し画面が下がって教壇右上に筒木めぐむ、顔を撃つ。 ここからラッシュ 左を向くとそこには天野麻理、腰を撃つ。 さらに左へ、今度は右に橘つづみ、左に塚田ふみ。村雨つづみは顔でふみは腰。 さらにさらに左でこんどは右に一之瀬里香、左に姫野亜里沙。一之瀬里香は腰で、姫野亜里沙は頭。 また左で右に坂口 霞、左に橘つぐみ。坂口 霞が腰で橘つぐみも腰。 さらに左、これで一周でそこには筒木めぐるがいるでの顔を撃つ。 また左、左奥に塚田ふみ、腰。 左、左手前にアップで姫野亜里沙、中央奥に一之瀬里香。姫野亜里沙の頭と一之瀬里香の腰。アップの姫野亜里沙は頭がかなり上なので注意。 さらに左で廊下を見ると、高田沙希が駆け抜けていくがここは見てるだけ。 すると走り抜けていった高田沙希が左から走って目の前まで来るので太ももを撃つ。 また左で2周完了、アップで左から順に筒木めぐる、田中力子、筒木めぐむ。左から順番に頭、胸、頭。 さーらに左。アップで画面右に天野麻理、左奥に村雨つづみ。 天野麻理はESが腰なので、机の上に乗ってる間にさくっと撃ってしまおう。村雨つづみは顔。 後ろを見ても誰も居ない。 ここから逆回転 少しきょろきょろした後、右を見るとアップで水島七恵、ESは胸。 さらに右で教壇の上に立ち全力で告白しだす小杉ねね子。 頭が上がってから文字ごと頭を打ち抜こう。 右に旋回でドアの奥に木林くみ。腰です。 右手前に笹穂くるみがどアップ。頭がESなので一気に照準を持っていこう。 さらに右で、廊下側の窓の右側の向こうに古橋桃香。ESは顔。 少し左にスライドして右の窓に春野つぼみ。ESは腰なので告白タイミングを狙う。 右を向き、中央に富良野良子。左奥に夏樹マリア、右奥に姫野亜里沙。富良野良子、夏樹マリア、姫野亜里沙の順に、腰、胸、顔。 さらに右で水島七恵アップ。胸ですよ。 倒すとその手前に左に小杉ねね子、右に木林くみ。小杉ねね子は顔、木林くみは腹。 右向いて教壇の横に藤野沙織先生。腰連打。 撃ち終わったら画面一番下中央に照準合わせて連打。 最後に振り向いた後に藤野沙織先生が出てくるがここで連打そのままでES。 STAGE4終了 神ランク狙いなら目標スコアは47~8万 上へ <<葵ルートSTAGE3 全ルート共通STAGE5>>
https://w.atwiki.jp/inazumago3galaxy/pages/82.html
エミュで撮ったスクショから文字認識で自動生成するとかして自動化するべき。 選手の欄は体型(普通、大柄、小柄、長身)まで含む選手データがあれば自動生成できる(ここにある(Googleドライブ))。 必殺技は最低でも威力と属性をまとめた必殺技リストがあればできる(それぐらいこのwikiのコピペから変換で作れる)。文字認識したひらがな表記との対応表も要るか。 手作業でやる気力があるならそれでいいけど。 誰かたのむ~ 装備、スキル、ミキシ込みのステータス 進化補正込みの技威力 ポジションは選手のステータスとしてのポジション。フォーメーション上の配置ではない。 並びは背番号順 マスクウォーリアーズ(Lv 8) ヒラリマフラーズ(Lv 11) コミカルメガネ(Lv 15) クールメガネ(Lv 12) エレメントマスター(Lv 14) マスクウォーリアーズ(Lv 8) フィールド:惑星補正無し 選手 GP TP Kic Dri Blo Cat Tec Spe Sta Lac 技1 技2 技3 技4 オーラ グレント GK 火 長身 67 54 18 27 41 58 52 38 41 31 よつい DF 風 小柄 46 65 33 21 51 24 36 58 52 36 じばしりかえん[火60] シバレル DF 林 小柄 56 54 29 34 63 45 58 64 29 23 とびすけ DF 林 大柄 55 67 23 21 50 18 47 46 34 47 ナイフ MF 風 普通 58 74 30 58 39 29 52 58 34 34 イカサマ! ロデオ MF 風 普通 55 58 31 56 36 43 55 58 32 36 ぴらにあ FW 風 普通 54 66 42 48 35 18 42 44 33 36 わたり FW 風 普通 48 44 54 34 35 21 44 58 32 42 おがなみ FW 林 普通 58 54 53 26 21 27 40 43 35 28 あべしま FW 火 普通 80 46 57 40 17 15 32 41 51 26 あゆま FW 山 小柄 53 61 47 44 32 44 51 51 29 25 ストライクサンバ(L)[山70] ふかみ GK 風 大柄 58 89 26 25 27 61 54 55 26 39 ハイドロアンカー(P)[風90] さかなが GK 林 普通 71 57 24 31 26 48 46 48 32 37 ワイルドダンク[風40] ながひさ DF 林 小柄 73 57 29 37 42 15 52 45 40 24 エレファントプレス[山80] ゾーハン DF 山 大柄 83 49 20 31 58 25 41 40 38 23 ドクロ FW 林 普通 52 70 50 20 36 27 32 40 23 35 ヒラリマフラーズ(Lv 11) フィールド:惑星補正無し 選手 GP TP Kic Dri Blo Cat Tec Spe Sta Lac 技1 技2 技3 技4 オーラ あおの GK 林 長身 64 53 39 21 48 85 59 33 40 33 ムテキツー DF 風 大柄 65 66 33 39 92 43 46 67 45 34 かざまつり DF 風 長身 57 58 31 43 84 55 63 59 34 46 スカイ3 DF 風 長身 58 66 29 39 71 38 45 44 32 35 スカイ4 MF 山 普通 50 64 34 70 29 41 40 34 30 34 りんどう MF 林 小柄 55 47 34 68 34 39 56 42 39 37 やみね MF 林 普通 47 71 50 65 46 32 41 43 28 57 キューティ MF 山 普通 58 68 50 76 43 46 49 42 40 42 あゆま FW 山 小柄 55 62 65 49 35 53 49 46 33 25 あかぎ FW 風 普通 72 49 72 38 28 30 47 58 30 35 ジェイ FW 林 大柄 64 60 89 51 26 32 50 35 39 38 スカイ2 GK 林 大柄 72 55 23 31 30 74 39 31 32 45 ももミ DF 火 小柄 58 62 39 25 70 42 48 45 24 54 なげわ MF 山 普通 68 66 60 74 50 51 53 39 28 28 とき MF 山 普通 47 48 38 54 32 45 38 29 41 37 スカイ1 FW 火 普通 79 52 75 33 27 28 53 55 24 45 コミカルメガネ(Lv 15) フィールド:惑星補正無し 選手 GP TP Kic Dri Blo Cat Tec Spe Sta Lac 技1 技2 技3 技4 オーラ おうしょう GK 山 大柄 103 47 27 30 37 78 43 34 37 66 ふちょう DF 火 普通 57 77 31 26 67 27 42 41 39 50 つなみ(大人) DF 風 長身 96 63 62 37 84 27 42 62 35 46 チャイ DF 山 普通 58 84 24 25 77 56 35 52 56 37 あゆむ DF 山 小柄 61 49 18 25 58 37 36 52 34 45 くれの DF 風 普通 54 56 23 20 76 33 49 57 31 58 とき MF 山 普通 50 52 33 58 32 45 38 28 46 37 はやみ MF 風 普通 76 60 47 60 25 39 58 96 45 44 ボニトナ MF 林 普通 48 73 39 57 30 21 35 65 38 33 すする FW 林 小柄 84 70 72 41 32 21 35 26 34 25 かずと FW 林 普通 77 47 70 43 33 36 53 50 51 29 にのべえ GK 林 普通 50 48 27 49 27 63 26 52 57 58 メグホン GK 林 普通 49 53 18 32 27 70 35 41 25 24 あくたがわ DF 林 小柄 45 73 19 51 45 21 60 35 34 28 みえと MF 山 大柄 77 52 50 71 55 30 47 30 32 52 けんさく FW 火 普通 79 64 75 45 31 34 36 33 35 24 クールメガネ(Lv 12) フィールド:惑星補正無し エレメントマスター(Lv 14) フィールド:惑星補正無し
https://w.atwiki.jp/kagerou/pages/89.html
深淵-大勾玉ルート まずは灯篭?のある罠部屋を探しましょう 達成の証の「コンパス強化」があると楽です ←親ページに戻る (編集中)
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ブランチバトルコース:Aルート(イージー)|Bルート(ノーマル)|Cルート(ハード)|Dルート(ベリーハード)|Eルート(エクストリーム) Bルート(ノーマル) ステージ1-B STANDARD アフリカ砂漠 BGM:INVOKE -インヴォーク- パートナー:レッドフレーム 敵機:ストライク+デュエルAS(イザーク)→(全滅後)→フリーダム(キラ)+プロヴィデンス(クルーゼ)→ジン→ジン→バクゥ 解説:最初のステージ。無印SEED祭り。2012年9月11日よりステージ・敵機構成が変化しデュエルASお披露目ステージとなった。 それに伴い、ステージもヘリオポリスからアフリカ砂漠へと変化、折角の砂漠なのに砂漠の虎がリストラされた。 幅の広い砂丘があるので若干分断が狙いやすくなったか。初期配置が倉庫を挟む形となっている、 ゲロビ持ちなら開幕ぶっ放しで奥のストライクごと吹っ飛ばすのがオススメ。 ステージ2-B STANDARD ブリュッセル BGM:WHITE REFLECTION パートナー:ガンイージ 敵機:デスサイズヘル(デュオ)+ヘビーアームズ改(トロワ)→トールギスIII(ゼクス)→ウイングゼロ(ヒイロ) 解説:ガンダムW面。実名パイロットだがルーチンはそれほど良くはない。 ガンイージと分担して当たる場合はヘビーアームズvsガンイージとした方が安定する。 ステージ2-B EX TARGET ロンデニオン ターゲット シナンジュ(フロンタル)+X2改(ザビーネ) BGM:颯爽たるシャア→UNICORN パートナー:ゴールドスモー 敵機:ジオング+トールギスIII→シナンジュ(フロンタル)→X2改(ザビーネ)→ジオング 解説:敵機はかなり好戦的。ゲロビなど攻撃力の高い攻撃をなるべくもらわないように注意。 ステージ3-B BOSS トーチカ基地 ターゲット アプサラスII(アイナ) BGM:君を見つめて→嵐の中で輝いて パートナー:アッガイ 敵機:Ez8(シロー)+グフ・カスタム(ノリス)→(全滅後)→アプサラスII(アイナ)+ドム→ドム→ドム 解説:アプサラスの巨体を活かした格闘はステップで誘導切っても避けられず射撃よりも厄介。 攻撃の発生が全体的に遅く見切りやすいのでシールド入力の練習にはちょうど良い。ドムはアッガイに任せて放置安定。 ボーナスシーンを出すためにドムを撃墜したい場合、アプサラスの攻撃でドムが撃墜されないよう一気に仕留めよう。 ステージ3-B EX WARSHIP 廃棄コロニー(月軌道上) BGM:DECISIVE BATTLE パートナー:スサノオ 敵機:ラファエル(ティエリア)+リボーンズガンダム(リボンズ)+プトレマイオス2→アヘッド→アヘッド→クアンタ(刹那) 解説:2012年5月29日のアプデによって機体構成が変化。解禁に伴いリボーンズガンダムの固定登場ステージになった。 アプデ前と同じくトレミーを先に破壊すると初期配置の二機の破壊のみでクリア出来るのでサクッと抜けたい場合はそちらの方でも良い。 トレミーはステージ全域をミサイルで狙えるため何時でも何処でもカットに警戒したい。 味方のスサノオが戦艦を斬ろうとして空気になる事がある、分散で起こりやすい事だが突撃指示でもたまに起こるので注意。 なお、本ステージではトレミーを無視し続け、自機のみで出てくる敵機を倒していれば自機が一度落ちていても必ずボーナスシーンに行ける。 ステージ3-B BOUNS BONUS インダストリアル7 ターゲット デルタプラス BGM:DREAMS パートナー:クシャトリヤ 敵機:アッシマー×2+アシュタロンHC×2+デルタプラス 解説:ある条件を満たすと出現、MAオンリー。デルタプラスは攻撃せず動き回るだけの模様。 アッシマーよりアシュタロンの装甲が厚めなので、スコア稼ぎ狙いならアッシマー狙い。 敵はデルタ以外スーパーアーマー持ちなので格闘機であっても射撃を撃ち込んだ方が安全。 ステージ4-B TARGET ギアナ高地 ターゲット マスターガンダム(東方不敗) BGM:FLYING IN THE SKY→我が心 明鏡止水~されどこの掌は烈火の如く パートナー:ラファエル 敵機:ゴッドガンダム(ドモン)+ドラゴンガンダム(サイ・サイシー)→マスターガンダム(東方不敗)→シュピーゲル(シュバルツ)→デスアーミー→デスアーミー 解説:Gガンダム面、2012年8月14日から新たにシュピーゲルが登場するようになった。 相方は素手攻撃に定評のあるラファエル。 初期配置はやや動きがいいので注意。ラファはほぼ確実にサンドバッグにされる。 デスアーミーは武装も少なく放置しても問題ない、装甲も薄いので自分で全部倒してしまっても良い。 やる事は手早く済ませてマスター対応に専念しよう。シュピーゲルの動きを見るのに気を取られて、マスターの闇討ちをくらわないように注意。 概ね相手側から格闘で突っ込んでくるので、一歩後退してタコ殴りにするのも良し、引き撃ちして蜂の巣にするのも良しなステージでもある。 ステージ4-B EX STANDARD マスドライバー基地 BGM:戦慄のブルー パートナー:アレックス 敵機:ヒルドルブ+アッガイ→アッガイ→ヒルドルブ→ヒルドルブ→BD1号機(ユウ)+イフリート改(ニムバス)→ジム→ジム 解説:2012年6月12日より構成変化、イフリート改お披露目ステージとなった。 パートナーはクリス、声優の林原めぐみがマリオンやEXAMの音声の(現行新録)担当という点からのチョイスであろうか。 ステージ5-B STANDARD サイド6 BGM:いつか空に届いて パートナー:Ez8 敵機:アッガイ+BD1号機→ジム+ジム→ザクII→ザクII→(全滅後)→ザク改(バーニィ)+アレックス(クリス)→ジム+ザクII 解説:0080祭り。雑魚機体が多数出るが耐久値はあまりないので手早く撃破したい。 ステージ5-B EX BOSS トロヤステーション ターゲット ザクレロ(デミトリー) BGM:颯爽たるシャア パートナー:シャア専用ゲルググ 敵機:フォビドゥン+デスサイズ+ザクレロ(デミトリー)→ギャン(マ・クベ)→ザメル 解説:開幕即ボスというかなり型破りな構成、その仕様上デミトリーの出撃ボイスは聞けない。 ザクレロは非常に素早くミサイルや格闘も避け辛い、慣れない内に踏み込むと返り討ちなので注意。 ただ装甲はボスにしては薄いほうなので、集中指示を出し一気に畳み掛けたい。 ステージ6-B STANDARD 衛星イオ BGM:宇宙海賊クロスボーンバンガード戦闘テーマ パートナー:F91 敵機:X2改(ザビーネ)+X1フルクロス(トビア)→(全滅後)→X1改(キンケドゥ)+X3(トビア)→量産型F91→量産型F91→量産型F91 解説:クロスボーン祭り。厄介なマントは素早く剥がして速攻で撃破したい。 慣れてきたら量産型F91の全滅を狙ってみよう、装甲が厚く時間がかかるので相方は回避にして他の敵放置を推奨。 2013年7月23日のX3解禁により、構成が変化。前座のバタラと量産型F91がフルクロスに、そして後半のフルクロスがX3に変更された。 ステージ6-B EX TARGET ギガフロート ターゲット レッドフレーム(ロウ)+ブルーフレームセカンドL(劾) BGM:ignited -イグナイテッド-→Zips パートナー:∞ジャスティス 敵機:M1アストレイ+ジン(突撃銃)×2→(全滅後)→レッドフレーム(ロウ)+ブルーフレームセカンドL(劾)→ゴールドフレーム天(ギナ)→ジン(大型ミサイル) 解説:アストレイ面、アマツ解禁に先駆け構成変更。前座が紙モブのみ、後半は今まで通り2000の2機編成なので更に低難度に。 ジンは倒しても無限増援なのでスコア稼ぎにもってこいだが夢中になりすぎてタイムアップにならないよう注意。 ステージ7-B BOSS アフリカタワー ターゲット GNアーマーTYPE-D(ロックオン(ニール)) BGM:泪のムコウ→SCRAMBLE パートナー:アルケーガンダム 敵機:エクシア(刹那)+デュナメス(ロックオン(ニール))→(全滅後)→GNアーマーTYPE-D(ロックオン(ニール))→アリオス(アレルヤ) 解説:2013年1月15日よりステージ変更+アレルヤお披露目ステージとなった。 ボスであるGNアーマーは前作のレグナントの行動と非常に似ているので、レグナント戦を意識すればそれほど苦戦する要素はない。 ミサイル弾幕がかなりの物量なので避けられないと感じたらシールドで凌ぐ事。 アレルヤは少し遅れての増援となる、出現位置はGNアーマーと同じく岩の方向から。 ステージ7-B EX WARSHIP 廃棄コロニー(月軌道上) BGM:翔べ!ガンダム パートナー ギャン 敵機:Ez8+BD1号機+サラミス→(MS全滅)→メッサーラ(シロッコ)+シャア専用ゲルググ(シャア)+陸戦型ガンダム(撃破毎に同機補充)→BD1号機 解説:最低限サラミスと初期配置の2機の破壊のみでクリア出来るためサクッと抜けたい場合はそちらがオススメ。 サラミスの攻撃は艦首からのミサイル、戦艦は斜め向きなので側面に張り付けば喰らう事は無い。 サラミス撃破を狙うと簡単だが、それを無視する場合は後半常時3機かつ無限増援で難易度相応の構成となる。 ステージ8-B FINAL EXTREME EVOLUTION ターゲット エクストリームMp BGM:The End of Authority パートナー:百式 敵機:エクストリームMp+GN-X+リグ・コンティオ 解説:エクストリームガンダム戦。取り巻きは性能低めなNPC機、ルーチンが甘くあまり弾を撒いてこないので張り付かれない限りは空気。 ゲームスピードが多少下がった関係かタキオンの攻撃は見切りやすく回避も甘め、しかしながら格闘機で挑むと苦しい戦いになる。 現在は第4形態ミスティックで固定、タキオンをややアウトレンジ寄りにした汎用機でこちらも格闘を振り回す。 タキオンと異なり開幕からガンガン攻撃してくる分、難易度はやや上昇したか。必ずしも張り付いてこないのは幸い。
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望 「紡を、探してみようと思う」\ ユウ 『紡? ああ、お友達のことですか。でも、その人は男なんじゃ……ま、まさか』\ 望 「違うわっ! 妙な想像をするな!」\ ユウ 『じゃあ、どうしてですか?』\ 望 「……それは」\ 冬木さんの悲しそうな顔が、どうしても脳裏に焼きついて離れないから。\ 望 「つ、紡はもてるやつなんだよ。もし一緒に学校に行けたら、おこぼれで一個くらいもらえるかもしれない」\ なんてことは言わず、適当な理由をでっち上げた。\ ユウ 『そうなんですかぁ』\ 望 「ああ、そうなんだよ」\ あながち嘘というわけでもない、もしかしたらそんな可能性もなくはない。\ 何にせよ、行動を開始するのは明日からだ。\ 俺は、冬木さんのことを思い返しながら眠りについた。\ ;・ループA 四回目の二月十四日。\ もうループしてることに驚かない。\ 望 「電話は……繋がらないか。携帯の電源切ってたら、意味がないだろうが」\ 六時四十四分、やはり電話は繋がらなかった。\ ユウ 『まずはどうするんですか?』\ 望 「あいつの家に行こうと思う」\ もしかしたら、何か理由があって引きこもっているという可能性もある。\ ユウ 『確か、友人さんは今まで学校を休んだことがなかったんでしたっけ』\ 望 「そうなんだよ。だから絶対に理由があるはずなんだ」\ 俺は手早く一階に降りて準備を整え、朝食を胃に押し込んで。いつもより二十分程早く家を飛び出した。\ ;背景 通学路 望 「でも、あいつの家に行ったことって片手で数えられるくらいしかないな……」\ ユウ 『友達なのにですか?』\ 望 「どうも、うちに来たがるんだよな。あいつは……」\ それか、ゲーセンなんかに遊びに行ったりとか。 そういうのばっかりだった。\ 望 「まあ、場所はしっかり覚えてるから問題ないさ」\ いつもの交差点を右に曲がり、真っ直ぐ五分程歩いたところで立ち止まる。\ ユウ 『ここですか』\ 望 「ああ」\ 別に特筆するべきこともない、普通の一軒家だ。\ 少し躊躇をしてから、チャイムのボタンを押す。\ すると、十秒くらいしてから、小学校高学年くらいの女の子がドアの隙間から顔を覗かせた。\ ? 「どなたですかー?」\ 望 「あ、優ちゃんおはよう。紡いるかな」\ 優ちゃんは、歳の離れた紡の妹で、暴走しがちな兄を支えるいい妹さんだ。\ 優 「天宮さんですかー? 兄ちゃんは、結構前に気合いれて出かけましたよー」\ 望 「え、出かけてたのかあいつ……。気合を入れてって、どういうこと?」\ 優 「さあー、なんかやたらと髪型を気にしてたり、普段つけない香水とかつけたりしてました」\ 望 「髪型……香水……」\ 優 「あのー、もういいですか? あたしも学校に行く準備しないとー」\ 望 「あ、うん。ごめんね優ちゃん。ありがとう」\ 優 「いえいえー」\ そして扉が閉められ、俺はしばらくその場で思案していた。\ ユウ 『うーん……』 望 「髪型や香水を気にしてたってことは、誰かに会いに行ったって可能性が高いな」\ ユウ 『うーん』\ 望 「お前は何か考えがあるか?」\ ユウ 『あの子、可愛いですね』\ 望 「お前はロリコンかっ!! お前の問題でもあるんだから真面目に考えろ!」\ ユウ 『あ、はい! すいませんすいません!』\ ったく、ロリコンの幽霊ってどれだけ性質が悪いんだよ……。\ 望 「しかし、今から探し回ってる時間はないか。もう学校に行かないとな」\ ユウ 『ループしてるんですし、行かなくてもいいんじゃないですか?』\ 望 「あのな、ひょんなことでチョコもらえることもあるかもしれないだろ? そうしたら次は普通に十五日がやってくるんだ。サボるわけにはいかないよ」\ ユウ 『なるほど、先のことも考えなきゃいけませんもんね』\ 望 「そういうこと」\ ……本当は、冬木さんのことが気になるんだけどな。\ ;背景 学校前・校門 今日は時間がいつもより早かったせいか、先輩と会うことはなかった。\ また猪木を聞かされるのは御免だし、次のループからも出来るだけ早めに来ることにしよう。\ ユウ 『あの人は、親しげな感じでしたけど』\ 望 「いや。あの人にこそ……希望はないと俺は思う」\ もう、勘違いで傷つくのは御免だ。\ ;背景 教室 しかし、教室に来てもやることが無いな。\ 車輪の下は既に読み終わってしまったし、鞄の中の本を入れ替えるのを忘れてしまっていた。\ 望 「しばらく寝るか……」\ ユウ 『クラスメイトの女の子にチョコをねだってみたりとかはどうですか?』\ 望 「そんなことでチョコもらっても、それから学校に行きにくくなるだろうが……」\ 千代 通常 千代 「あ、天宮くん。誰に向かって話してるの?」\ 望 「わぁぁっ! っとぉ! べ、別に何でもないよ!」\ 何で俺はここで冬木さんが話しかけてくることを忘れるかな!\ しかも今度は本を朗読してたなんて言い訳は出来ないぞ、ど、どうする?\ 千代 「何でもなさそうには見えないんだけど……」\ ああ、何かかわいそうなものを見る目で俺を見つめないで……。\ 望 「うん、でも忘れてくれると嬉しいなっ」 千代 「……わかった、そうするよ。それじゃ、えっとさ、天宮くんに聞きたいことがあるんだけど……」\ 望 「あ、ああ。紡のことね。紡なら今日は来られないっぽいんだよ!」\ 途端、冬木さんの頬が真っ赤に染まった。\ ; 千代 照れ 千代 「な、ななななななな何で紡くんのこと聞こうとしてたって、知ってるのっ!?」\ 望 「え? ……あ! いやその、えーっと」\ しまった。テンパってとんでもないことを言ってしまった。\ 望 「か、顔に書いてあったから、かな?」\ 千代 「ええっ!」\ 冬木さんが、ぺたぺたと自分の顔を触りまくる。\ 千代 「えっ、本当に? わかんない、なんでっ! まだ誰にも話してないのに おかしいよこんなのーっ。ううーーー!」\ やばい、焦っている冬木さん可愛い。 でも、さらに混乱させてどうするよ俺の馬鹿野郎。\ 望 「あーそのほら! 今日はその、バレンタインだし。やっぱりそういうことかなって。やっぱり紡の傍にいるとさ、そういうことも目につきやすいんだよ」\ しどろもどろになりながらの必死な言い訳。\ ;千代 怒り 千代 「ほんとにほんと? 実は、二人とも知ってて私を笑いものにしてるってこと、ないよねっ」\ 望 「な、ないない。そんなことは絶対にないから、本当に!」\ 千代 「神に誓って?」\ 望 「誓う誓う」\ 千代 「キリストにも、アッラーにも、釈迦にも誓える?」\ 望 「誓うよっ。メッカの方向に十字切りながら念仏だって唱えるから!」\ 千代 「あと、そう、ボルトの足にも誓える?」\ 何故世界的アスリートの足に誓わねばいけないんだろう……?\ 望 「あのさ、俺ってそんなに信用ないかな」\ ;千代 通常 千代 「え、あ。そういうわけじゃないんだけど。ただ、天宮くんってあまり話したことなかったし」\ 望 「うん、確かにそうだね。でもさ、本当に今のは勘が働いただけなんだ」\ 千代 「そっかぁ」\ 望 「そうだな、じゃあ……。神なんかより、紡に誓ってってのはどうかな」\ 俺がそういうと、冬木さんは一瞬呆気にとられてから、破顔した。\ ;千代 笑顔 千代 「……あははっ。それは、信じないわけにはいかないねっ」\ ;千代 通常 「でも、そっか。紡くん、今日は休みなのかぁ……」\ あまり表には出さないけれど、本当に残念そうな声音だった。\ それだけ、紡への思いが大事ということか。\ 俺は、そんな冬木さんの顔を見て――。\ 1:余計なことはしない方がいいと思った 2:もう少し、冬木さんのために頑張ってみようと思った ・1選択肢後 最初の三択に戻るルート 俺が、入り込む余地はもうないと感じた。\ やはり俺は余計なことをしようとしているんじゃないかと。\ 千代 「天宮くん、ありがとう。……あ、あと、おはよう。挨拶もしてなかったのに、変なことばっかり言ってごめんね」\ 望 「いや、気にしないで」\ 千代 「それじゃねっ」\ 望 「……うん」\ それからは、特に何をするでもなくぼーっとして過ごした。\ ;背景 部屋 ユウ 『どうしたんですか? 朝から元気ないですけど』\ 望 「ああ、いや。やっぱり紡を探すのはやめにしようと思う」\ ユウ 『それはまた、何で急に?」\ 望 「ちょっと、考えるところあったんだよ……」\ 冬木さんの為を思うならば、余計なことはせずにおくべきだ。\ 望 「まあ、まだアテはあるさ」 俺は明日からどうしようかと考えて――。 1:ももルート選択肢 2:明日香ルート選択肢 ・2選択肢後 千代ルート継続 もう少しだけ。頑張ってみようと思った。\ 冬木さんの為だけでなく、紡の為だけでなく、何より自分の為に。\ 千代 「天宮くん、ありがとう。……あ、あと、おはよう。挨拶もしてなかったのに、変なことばっかり言ってごめんね」\ 望 「いや、気にしないで」\ 千代 「それじゃねっ」\ 望 「うん、それじゃ」\ 俺には、まだこれ以上会話を広げられる話題も。 その勇気も無い。今はまだ、その時じゃないんだ。\ 俺は、これからの為に一層決意を固めた。\ ;背景 通学路 望 「しっかし、何度も同じ授業を聞くのは退屈以外のなにものでもないな」\ ユウ 『いいじゃないですか、復習になるし』\ 望 「しっかし、一度とったノートもリセットされるからな。面倒だよ本当に……」\ ユウ 『ま、まあまあ。気を取り直して、紡さんを探しに行きましょうよ」\ 望 「ああ。そうだな」\ しかし、探すといってもどこに行けばいいのか。\ とりあえず、あいつと良く遊びに行く場所を重点的に回ってみるとするか……。\ 母さんには悪いが、今日も野菜は買って帰れそうもないな。\ ;背景 真っ黒 それから、ゲーセンやCDショップ。\ 紡の良く行くスポーツ用品店など思いつく限りを回って話を聞いてみたりしたものの、紡の足取りは全く掴めなかった。\ ;背景 繁華街 ユウ 『そういえば』\ 望 「なんだ?」\ 時刻は六時過ぎ。\ 俺は冷えた手を温めるために、先ほど買った缶コーヒーを両手で握りこんでいた。\ ユウ 『望さんって、女の子が苦手だったりしないんですか?』 望 「……苦手だよ。いつだってキモがられるんじゃないかって、びくびくしてる」\ ユウ 『でも、あの……冬木さん、でしたっけ。あの人とは、普通に話せてるじゃないですか』\ 望 「あのな、俺だって必死なんだよ。あそこでどもったり、黙ってたりしたら余計失礼なことになるだろうが」\ ユウ 『なるほど。頑張ってるんですね……』\ 望 「…………」\ 頑張ってなんかいない。\ 俺が話せるのは、相手がから話しかけてきてくれた時だけだ。\ 望 「しかし、もうこんな時間か」\ ユウ 『僕にはわかりませんけれど、寒いんじゃないですか? 今日は諦めた方がいいんじゃ……』 ユウの言葉を考慮して、俺は判断した。\ 1:いや、やはりまだ探し続けよう 2:そうだな、今日は帰ろう ・1選択 ループA’へ向かうルート ・2選択 ループBへ向かうルート ・1選択後 望 「いや、まだ諦めるには早いよ。一度行った場所にも、今ならいる可能性もある」\ ユウ 『望さんがいいのなら、僕はいいんですが』 望 「ああ、俺がいいって言ってるんだ」\ それからは、時間を忘れて歩き回っていたと思う。\ 母さんには遅くなるとメールで伝えてあるが、家で一人の母さんを思うとやはり悪いなという気分になった。\ しかし、今この世界はループしている。 ならば一度徹底的に、この二月十四日の現状について洗い出してみるべきだと考えた。\ 望 「おいおい……霧にでもなったのかあいつは」\ 時刻は既に十時に迫ろうとしている。\ 休憩はいくらか挟んできたが、流石に限界だ。\ 望 「もう、この辺りで探してない場所はないんだけどな」\ しかし愚痴っていてもも仕方ない。\ 今日のところは、さっさと帰って休もう。 ループしてるとはいえ、疲れは蓄積するのだから。\ ;背景 部屋 母さんはいつも寝るのが早く、十時にはベッドに入っていることが多い。\ 夕食は外で済ませた為、暖めて食べてねとメモのあったチョコカレーはそのままにしておいた。\ ごめんなさい、でも出来るのなら食べたくないんです……。\ ・ループA’へ ・ループA’ ;背景 部屋 六時四十分。\ 人間の生活のリズムはそう簡単に崩せるわけもなく、俺はいつも通りの時間に起きた。\ 昨日の疲れが残っているせいか、少し頭がぼーっとしている。\ 望 「……電話は、出ないか」\ やはり、紡は電話には出なかった。\ ユウ 『そんなの、ループしてるんだから当たり前じゃないですか』\ 望 「一応の保険だよ……。もしかしたら一分だけ電源をつけてたとか、そんな可能性だってあるかもしれないだろ」\ 本当は寝ぼけてただけです。\ ;背景 真っ黒 さて、朝の描写については、何度も繰り返し見ても退屈だろうから割愛させてもらう。\ ;背景 通学路 ユウ 『今日は、どうするんですか?』\ 望 「紡の家に行っても意味ないだろうし、今回は学校まで適当に近場を探すさ」\ 朝に探せば、また何か違った発見があるかもしれない。\ ユウ 『えぇ……優ちゃんに会いたいな……』\ 望 「だまれっ! このロリコンっ!」\ ユウ 『もう、何かりかりしてるんですか~』\ 望 「同じ日を繰り返させられたら、誰だってかりかりするわっ!」\ ユウ 『気をつけてくださいよー。ループしてるからって、死んだら終わりなんですからね』\ 望 「わかってるよ」\ ユウ 『望さんって、キャラ的に『避けろナッパァ!』って言われても、避けきれずに死にそうなキャラですもん」\ 望 「何その役回り!?」\ 酷い雑魚キャラ扱いされてる!\ ………………\ …………\ ……\ それから、適当に雑談をしながら繁華街の方を探したが、見つかることはなかった。\ ;背景 教室 しかし、多少人目を気にせずにユウと会話するようになってきてるのはやばいな。\ いつか精神科につれていかれることになるかもしれない。\ 望 「はぁ~……」\ しかし、疲れが溜まっている。\ 俺が本を開くこともなく机に突っ伏していると、冬木さんが少し心配げに声をかけてくれた。\ ;通常 千代 「天宮くん、大丈夫? 何か疲れてるみたいだけど……」\ 望 「冬木さん、俺って雑魚キャラっぽいかな?」\ 千代 「えっ、そんなこと言われても困るんだけど……。雑魚キャラってどういうこと?」\ 望 「ううん、何でもない。変なこと言ってごめん。……冬木さんは、紡のことが聞きたいんだよね」\ 千代 「なっ、ななななななななんで知ってるの!?」\ せっかくのループなので、俺はまた冬木さんの可愛いところを見せてもらうことにした。\ 眼福眼福。\ ;背景 学校前 望 「さて、今日はどうするかなあ」\ ユウ 『この辺りは、もうほとんど探しましたよね』\ 望 「探すとしたら、住宅街の方かなあ」\ しかし、どうにも体がだるい。\ 今日の所は早めに帰って休むというのも一つの選択だ。\ 1:いや、まだ探そう 2:今日は早めに帰ろう 3:もう紡のことは諦めよう 1選択後・バッドルート1へ 2選択後・ループBへ向かうルート 3選択後・ ・バッドルート1 望 「……ま、探すか。俺の未来の為に」\ ユウ 『優ちゃんに頼むのはどうですか?』\ 望 「ロリコンに人権はねえ!」\ ユウ 『人じゃありませんっ!』\ 望 「わかってるわ!」\ 最近ロリコンが顕著になってきたぞ、この幽霊……。\ 駄目だこいつ、早くなんとかしないと。\ ;暗転 ……… …… … ;背景 夜公園 望 「あーーーーもおおおおおおおおおおおっ! 紡、出て来いよっ! 出てこないとこの幽霊が死ぬぞっ!」\ ユウ 『……』\ 望 「突っ込めよ」\ ユウ 『もう死んでます』\ 望 「そんなお約束な突っ込みはいれんでいい!」\ ユウ 『突っ込み待ちしといてそりゃないですよ!』\ 望 「はあ。……ほんっと、もう駄目だ。紡ばっかりに構ってられん……!」\ このループをきっかけに、変わることが出来たらいいと思った。\ だけど、その一歩目から躓くことになろうとは……。\ 望 「はーぁ……」\ もう一度、深く溜息をつく。\ どうにも、このループを抜け出すにはかなりの時間がかかりそうだ。\ ――暗路迷い路見果てぬ彼方。@ 天宮望が向かいし道は、未来の見えない無限の旅路。\ ユウ 『長いお付き合いに、なりそうですね』\ ;暗転 バッドエンド ・ループBへ向かう選択肢から 望 「やっぱり、帰るか」\ ユウ 『そうですか』\ 望 「反対しないのか?」\ ユウ 『反対してほしいのなら、しますけど』\ 望 「いや、お前としては早くチョコがほしいんじゃないのかな……と思ったんだけど」\ ユウ 『僕一人じゃ、チョコも何もなくなっちゃいます。望さんがいなければ意味はないんですから、僕は反対なんてしませんよ』\ 望 「そうか……」\ こいつが生きていたら、本当にいい友達になれそうだったんだがな。\ ユウ 『どうかしました?』\ 望 「いや……。俺とお前って、結構いいコンビになれそうだよな」\ ユウ 『今でも、コンビみたいなもんじゃないですか』\ そうなんだけど、そうじゃないんだ。\ 望 「ユウと望で将来有望ってか?」\ ユウ 『チョコをもらえない望さんに将来はにい』\ 望 「にいってなんだ、にいって。……本当、お前が生きてれば、紡と三人で……」\ ユウ 『……そうですね』\ しまった。\ あまりにも無神経だった。@ 生きてないからこその、未練だっていうのに。\ 望 「…………」\ 俺が、まずったなあと思いつつ黙っていると。 ユウの方から話しかけてきた。\ ユウ 『望さん、望さん』 望 「何だ?」\ ユウ 『ジャック?』\ 望 「……え? バウアー?」\ ユウ 『ジャンクロード?』 望 「ヴァンダム」\ ユウ 『セルゲイ?』\ 望 「エイゼンシュテイーーーーーン! ひゃっほおおおう!」\ ユウ 『いいいいYAHHOOOOOOOOOO』\ 特に意味はない。\ ;背景 リビング 望 「うめえ、うめえ! チョコカレーがうめえなあ!」\ 母 「そう? 良かった。作った甲斐があったわぁ」\ 気付いてください。@ というか気遣ってください。\ 望 「本当に、うめえなあ」\ 母 「涙まで流して……。あら、ちょっともらい泣きしそう」\ この涙が苦しみの涙であることに、気付いてください。\ 俺は涙とまざりあってちょっとしょっぱくも甘いチョコカレーを気合で平らげた。\ 母 「それにしても、今日は何してたの?」\ 望 「え、何って?」\ 母 「望が、私からのメール見逃すなんてこと滅多にないじゃない。今日は忙しかった? だったら悪かったかしらと思って」\ 望 「ちょっと、ね。紡を探そうと思っててさ」\ がたっ!\ 望 「?」\ 母さんが、何故か動揺したかのようにテーブルを揺らした。\ 望 「……どうかした?」\ 母 「あ、あら。なんでもないわ、ごめんね望」\ 怪しい。 というか怪しすぎる。\ まさか、手がかりが母さんにあったとは、ホームズだって見抜けまい。\ 今はどんな情報であれ欲しい、相手が母さんでも何とか聞き出さねば。\ 望 「実はさ、紡が……」\ ……騙すのは気が引ける、が。 ここは少し話を大きくしてみよう。\ 望 「行方不明なんだ。俺の携帯に『もうここにはいられない』って残して……」\ 母 「ええっ! そ、そんなに思いつめてたなんて……」\ 望 「と、言うのは俺の作り話なんだけど」\ 母 「……え?」\ 望 「たださ、紡が学校休むなんて今までなかったし、心配だったってだけ」\ 望 「たださ、紡が学校休むなんて今までなかったし、心配だったってだけ」\ 母 「望、あなたいつから嘘なんてつくような子に……」\ 母さんの怒りは買いたくなかったが、ここはループしていると思って割り切るしかない! 望 「ご、ごめん。 本当にごめん、母さん。でも、どうしても紡がどうなったのか知りたくて!」\ 母 「もう、仕方の無い子ね」\ 母さんが呆れたとでも言いたげに嘆息する。\ 母 「実は、今朝ね……」\ 望 「今朝?」\ そこで躊躇うように考え込む母さんを、俺は下手に急かすことはせず待った。\ 母 「……ごめんなさい」\ 望 「え?」\ 母 「やっぱり、私から言わない方がいいと思うのよ」\ 望 「……そっか」\ ユウ 『振られましたね』\ うるせーよ。\ 望 「うん、わかった。じゃあ明日にでも紡捕まえて、聞いてみるとするよ」\ 母 「そうね。紡くんが自分から話すっていうなら、いいと思うわ」\ 母さんは、そうにこやかに笑って言った。\ ;背景 部屋 望 「さて、ここで推理だ」\ ユウ 『何でも聞きたまえ、ワトスン君』\ 望 「何でお前がホームズ気取ってんだ。俺がホームズだっての」\ ユウ 『僕が……ホームズだ!』\ 望 「モビルスーツにでもなってろ!」 ユウ 『もうどっちもホームズでいいじゃないですか』\ 望 「……そうだな、わかったよ。えーっとそれで、何だったかな」\ ユウ 『おいおい、自分の話の要点くらいまとめておきたまえよ。ホームズ君』\ 望 「うるさい。あーそうだ、思い出した。紡は朝に気合を入れて出かけたが、その会いに行った相手は恐らく母さんだってことだな」\ ユウ 『状況証拠から見て、間違いないでしょうねー』\ 望 「しかし、どこに行ったかまではわからないからな。そこは母さんより早く起きて尾行しないと……」\ ユウ 『でも、早起きできるんですか?』\ 望 「……起こしてくれ」\ ユウ 『え?』\ 望 「五時に起こしてくれ。頼んだぞーい」\ この部屋に目覚まし時計なんて上等なものはない。\ ユウ 『ちょ、僕は望さんの母親じゃありませんって! あ、もう寝てる!』\ 頼んだぞ、頼りになるユウくんよ……。\ ;背景 真っ黒 その日の夜。\ 俺は冬木さんと始めて会った時のことを夢に見ていた。\ ;背景 廊下 そう、あれは一年の夏くらいのことだったか……。\ 紡 「おっし! じゃあ昼飯食いに行くか!」\ 俺と紡の二人はいつも通り、一緒に昼食を取ろうということになっていたはずだ。\ 望 「ああ、早くしないとろくなパン残らないしね」\ 千代 「おーっす、二見くんおーっす」\ ;千代 通常 そこで歩き出した時に、不意に後ろから冬木さんが話しかけてきた。\ ……このときは、まだ二見くんって呼んでたな、そういえば。\ 紡 「おお、冬木か。どした?」\ 千代 「んー、今日の練習のことなんだけどさ」\ 紡 「ああ、わかった。他には……」\ そう、二人はバスケ部の練習の話を始めてしまい、俺はすっかり手持ち無沙汰になっていた。\ 紡 「っと、わりい紡。待たせちまって」\ 望 「いや、気にしなくていいよ」\ 千代 「? その人、二見くんの友達?」\ 紡 「そう。中学からの友達で、天宮望ってんだ」\ ;千代 笑顔 千代 「そうなんだ。私は冬木千代。バスケ部のマネージャーしてるの、よろしくね?」\ 望 「あ、……うん、よろしく」\ 俺にはその笑顔が眩しくて、目を逸らしながら挨拶を返した。\ 紡 「おーいおい、相手の目をちゃんとみろよ望~。ごめんな、こいつ人見知りするやつでさ」\ 千代 「気にしなくていいよ~。天宮くんは、バスケとかしないの?」\ 望 「あ、俺は、運動がそれほど得意ってわけでもないから……」\ 千代 「ふーん、そうなんだ。じゃあ……って、あーっ! 私も友達待たせてたんだった!」\ 紡 「おいおい」\ 千代 「二見くんまた練部活でねっ! 天宮くんもまたねー」\ 慌しく冬木さんが去っていって。 それでファーストコンタクトは終わった。\ このとき、初めてみた笑顔が、今でもずっと忘れられない。\ 紡 「なあ、望」\ 望 「なに?」\ 紡 「そろそろ、起きたほうがいいんじゃないですか?」\ 望 「え?」\ ? 『もう、五時過ぎてますよっ』\ ;暗転 ユウ 『望さーーーーんっ!』\ ;背景 部屋 望 「うるせえ……」\ ユウ 『うるせえじゃありませんって。もう五時二十分ですよ』\ 望 「……え?」\ まぶたを擦って、ぼやけた視界で時計をみる。\ 望 「あー、本当だ。……悪いな」\ 寝起きは力が出ないので、大人な応対をする俺だった。\ ユウ 『まだ望さんのお母さんも、起きてないようですけど』\ 望 「母さんは大体六時に起きるんだよ。でも今日に至っては何があるかわからないから、こうして早めに起きたってわけだ」\ ユウ 『なるほど』\ 望 「ま、母さんが出かけるまではここで待機だな」\ それからしばらくは、眠らないよう本を読んで時間を潰す。\ そして六時を少し過ぎたところで、一階の電話が鳴った。\ 望 「こんな朝っぱらから、電話か」\ 恐らく紡から、なのかな。\ あいつは人の迷惑っつーものを考えないのか。\ 望 「っと、そろそろ出かけるみたいだな」\ 玄関の戸を開く音が僅かに聞こえた。\ 着替えは既に済ませてある。 俺は荷物を持って、母さんに気付かれないよう間をあけて家を出た。\ ;背景 通学路 ユウ 『はあはあ奥さん中々いい尻してるじゃないの』\ 望 「人の母親を視姦するな」\ ユウ 『いやだなあ、幾らなんでも死体からチョコもらっても嬉しくないですよー』\ 望 「字が違うわっ!」\ 母 「?」\ やばっ! 母さんがこっち振り向いたっ!!\ 母 「……」\ 慌てて塀の影に隠れたので、何とか気付かれずに済んだようだ。\ 望 「ふう、危なかった……」\ ユウ 『まだまだ甘いな、ホームズ君』\ お前のせいだ。\ ;暗転 それでも望の性欲を具現化したエクスかリバーは、実母の小リスのような可愛らしい尻に興奮し、篠突くように天を見上げていた。\ ;背景 通学路 望 「次妙なこと言ったら神社いくぞー」\ ユウ 『すいませんすいませんすいませんすいませ』\ ;背景 公園 望 「ここにきてたのか……」\ 紡と母さんが、向き合ってなにやら話している。\ 望 「ここからじゃ、はっきりと何話してるか聞こえないな」\ だがこれ以上近付くとばれる可能性もある。\ ユウ 『こういう時こそ僕の出番ですね。ちょっと聞いてきます』\ 望 「あ、ああ」\ 初めてあいつが幽霊であることが役に立った気がするな。\ 以下、ユウによる演技ですが 本人同士が話しているものとしてアテレコさせていただきます。\ 紡 「あ、あー。陽子さん、お元気でしたか?」\ 母 「私は元気よ、紡くんはどう?」\ 紡 「俺はもう、元気ばりんばりんすよ! 今日もちょっと、ウサギと競争してぶっちぎってきたところですよ!」\ 母 「そうなの、凄いわねー」\ 紡 「は、ははっ! ま、まあ僕にはそんなの、う、ウォーミングアップにもならないんですけどねっ!」\ 紡 「あー、運動したりないなあ! ちょっと一周してきますっ!」 数分後。 紡 「は、はあはあ、お待たせしました」\ 母 「あらあら、その元気を望にも少しわけてあげてほしいわー」\ 紡 「もう、どんどんわけちゃいますよ! 数値にすると超人パワー一千万くらい!」\ 母 「カナディアンマンくらいには勝てるようになってほしいわねー」\ 紡 「あ、そ、それでですねっ! 今日はこんな朝早くにお呼びたてしてしまって、すいませんっ!」\ 母 「いいのよー。それで、何の用かしら?」 紡 「ほら、あの、今日ってばれんたいんでーじゃあないですかっ!」\ 母 「そうねー。今日は望にもチョコを作ってあげようと思って、チョコカレーなんてどうかなて考えてたのよ」\ 紡 「そ、それはいいと思います! 望も、きっと泣いて喜びますよ! あいつ昔から『チョコカレーくいてぇー』って言ってましたからっ!」\ 母 「あら、そうなの? それは良かったわ~」\ 紡 「そ、そそそれでですね! お……僕の用事なんですが!」\ 母 「あ、うん。何かしら?」\ 紡 「そ、その……ス……キ……ナンデスッ!」\ 母 「ス=キナンデス(1678~1703)?」 紡 「ち、違います! そ、その。すき…………ときめきときす!」\ 母 「猿飛、懐かしいわ~」\ 紡 「そ、それも違うますっ! す、すいません! あなたのことが、好きなんですっ!」\ 母 「……へ?」\ 紡 「望には、悪いと思いますけど! 好きと思ったときには、既に告白は終わっているんです!」\ 母 「あらあら……困ったわね」\ 紡 「……っ!」\ 母 「紡くん、頭を上げてくれる?」\ 紡 「は、はい」\ 母 「……ごめんなさいね。私の心の中には、いつも良人がいるの。紡くんの思いには、答えてあげられないわ」\ 紡 「……………………そう、ですか」\ 母 「それに、紡くんみたいなかっこいい子には、きっと若くてかわいい彼女が出来るわ。こんなおばさんなんかより……」\ 紡 「陽子さんは、おばさんなんかじゃありませんよっ」\ 母 「……ありがと。でも本当に、ごめんね」\ 紡 「い、いえ。……すいません、こんな、朝から……」\ 母 「ここで話したことは、誰にも言わないでおくから。それじゃあまたね、紡くん」\ 紡 「はい……」\ ;暗転 ;背景 公園 望 「……おいおい」\ 母さん、カナディアンマンを馬鹿にしちゃ駄目だよ。\ 紡、お前もチョコカレーを食ってみろ。\ というかこれ、成功してたら紡が俺の父親になってたのか?\ 紡 「望、今日はキャッチボールしようっ、な?」\ 望 「……知らないっ!」\ 紡 「父さん、今日は新しいグローブ買ってきたんだぞー」\ こんな、新しい父親に馴染めない子どもとの寸劇が繰り広げられることになっていたのかっ!\ 望 「そ、そんなのはいやだあああああっ!」\ ユウ 『の、望さん落ち着いてくださいっ!』\ 望 「はっ!」\ あまりの出来事に我を忘れてしまっていた。\ 慌てて公園の中を見れば、母さんは反対側から公園を歩き去っていて、紡は茫然自失の状態で立ち尽くしている。\ 望 「……ここは、通りかかった振りして行くしかないか」\ 俺は軽やかなステップで紡に接近し、肩を叩いた。\ 望 「よっ! ふっふっ!(ジョギング的な呼吸) 今日はジョギング日和だなっ! 学校に行く前に走ってたら、お前を偶然見つけちまったぜっ!」\ 紡 「望……。……そうか……」\ 明らかに不自然なタイミングで現れたのに、今のこいつにはそれを気にする余裕もないらしい。\ 望 「おいおいっ! ふっふっ! そんなしけたツラしてたらツキも逃げちまうぜっ! 不運と踊っちまうぜ! ふっふっ!」\ 紡 「…………」\ 紡は必死に気を引く俺を無視して、公園から出てどこへともなく歩き出す。\ 望 「お、おいっ! どこ行く気が、紡っ」\ 本当に自殺しかねない勢いだぞ、こいつ。\ ;背景 通学路 紡 「ここではない、どこかへ……」\ 望 「わけわかんねえからなっ! ほら学校行くぞっ!」\ 紡 「行かない、行けない、行きたくない……」\ ふらふらと歩く紡の隣を歩きながら、なんとか説得を試みる。\ ユウ 『完全に抜け殻ですねぇ』\ 望 「紡、狙ってた皆勤賞をこんなところで逃がしてもいいのか?」\ 紡 「皆勤賞とか、もうどうでもいい……」\ こんな会話に三点リーダがデフォルトで入る男は嫌だ……。\ 望 「紡。ねえ、ちゃんと風呂入ってるか?」\ 紡 「ああ……」\ 望 「うわっ! お前姉ちゃんと風呂入ってんのかよー。えんがちょ! えんがちょ!」\ ユウ 『小学生ですか』\ 望 「うるさい」\ 紡 「何もいってねえよ……」\ 望 「紡のことを言ったんじゃない、妖精さんがいたんだ」\ 紡 「そうか……」\ ほぼノーリアクションですか。\ 望 「はあ……」\ ユウ 『打っても響かない鐘ですね』\ そろそろ、まじになって説得しないとな。 望 「……なあ、紡。学校に行こう? な? 別に何もしなくていい、ぼーっと座ってるだけでもいいからさ」\ 紡 「…………」\ 望 「お前がいないと、クラスが皆沈むんだよ。……もちろん、俺だって寂しいと思うし」\ 紡 「…………」\ 望 「な、だからさ!」\ お前が来てくれないと、俺の中での決心がつかないんだ。\ 紡 「…………わかった」\ 望 「よしっ! やっと行く気になったか!」\ 紡 「……ああ」\ ふう。 なんとか説得には成功か。\ しかし、普段の通学路から外れたルートに来てしまったな。\ ;千代 通常 千代 「あ、あれっ? 紡くんに、天宮くんっ!? ど、どどどどうしてここにっ!」\ 望 「おあっ! ふ、冬木さん。ど、どうしてここに!」\ ユウ 『繰り返してどうするんですか』\ 千代 「ど、どうしてって言われても、私はいっつもここを通ってきてるから」\ 望 「あ、そ、そうなんだ。俺達はさ、その……そう! ちょっと、ジョギングついでにね! ふっふっ!」\ 千代 「そうなの? でも制服で走ったら汗かいたとき大変だよ?」\ 望 「ま、まあそこは適当にね! ほら、紡もなんか言え!」\ 紡 「……ああ……」\ こいつは……。\ 千代 「紡くん、どうかしたの? 元気ないみたいだけど」\ 望 「あー、えっと。そ、そうそう! こいつ必死に進めてたドラクエのデータを妹に消されちゃったんだよ! それでへこんでるの!」\ 千代 「ドラクエ……」\ 望 「女勇者あぶない水着で一人旅なんて変態プレイしてるからだぞ、紡!」\ 紡 「ああ……そうだな……」\ 望 「って、否定しろよー。冗談なんだからさー」 紡 「…………」\ 望 「おい」\ 千代 「あ、あはは」\ 冬木さんは苦笑いしている。\ 俺はどうするか、二人きりにしてあげるべきか、それとも――。\ 1:紡に喝を入れる 2:後は冬木さんに任せよう 1・グッドルートへ 2:バッドルート2へ ・1 グッドルートへ 千代 「で、でもさ。紡くんもゲームとかするんだ」\ 紡 「……ああ」\ 千代 「私も、ほら、パズルゲームとかはするんだよ? ぷよぷよとか」\ 紡 「……そうか」\ 望 「…………っ」\ 何をしてるんだよ、お前は。\ ――母さんに振られたくらいで、なんて言えない。\ 好きな人に思いを伝えたこともない俺に、そんなことを言う資格はない。\ だけど、だけどな……!\ 千代 「ご、ごめんね。紡くんは興味ないよね、パズルゲームとか」\ 紡 「……そうだな」\ 千代 「……あはは」\ 駄目だ、限界だ。\ 望 「おい紡! お前いい加減しゃんとしたらどうだ!」\ 紡 「……」\ 望 「別にな、俺一人にだけそういう態度なら我慢もするよ。だけどここには冬木さんもいるんだぞ!」\ 千代 「あ、天宮くん。いいよいいよ、紡くん調子悪そうだし」\ 言葉の途中で、冬木さんが申し訳なさそうに口を挟んだ。\ 望 「……あっ。ご、ごめん。余計なこと言って……」\ 千代 「ううん、それは、いいんだけどさ」\ 望 「……」\ ユウ 『重い空気ですねえ』\ それからは誰一人口を開くことはなく。\ 朝からお通夜かよと思われるような雰囲気のまま、俺達は学校へ向かうことになった。 ;背景 教室 望 (でも、これでやっと紡を連れてこられた)\ 俺が出来ることは、もう無いだろう。\ あんな状態ではあるけれど、後は冬木さん次第だ……。\ クラスメイトA 「おーい二見ぃ、お前どうしたべー」\ クラスメイトB 「駄目だこいつ、何も反応しねえ」\ クラスメイトC 「女にでも振られたかぁ? うひひ」\ そして、自分の席でぼーっとする紡の周りに集まっていたクラスメイトの一人が、地雷を踏んだ。\ 紡 「……悪い、一人にしてくれ」\ だけど、爆発はしなかった。\ 紡の沸点はそんなに低いわけでもない、しかし突然にキレることもたまにあるから心配していたのだが。\ 望 「そんな気力もないってことか」\ あいつは、いつから母さんのことが好きだったんだろう。\ まあでも、年齢の割りに可愛いていうのは……俺もそう思う。凄く思う。\ 優しいし、良く気が付くし、料理も(一部創作料理を除き)凄くうまい。家事も完璧。\ ……あれ? 惚れない要素がない?\ で、でも母さんだしな。 今までそんな目で見たことが無かった。\ 紡 「…………あー」\ それから、一人になって更に鬱屈としている紡を、冬木さんが離れた席から心配そうに見つめていた。\ ;暗転 ;背景 廊下 放課後。\ いつもなら紡を誘って帰るところだが、今日はそういうわけにもいかない。\ 掃除をする気にもならないので、体調が悪いということで一人で抜け出す。\ 冬木さんが告白するまでには、まだ少し時間があるなと考えていた時、後ろから声をかけられた。\ 千代 「天宮くん、ちょっといいかな」\ ;千代 照れ 望 「ん……。え? あ、あーと。何か用?」\ 紡が学校に来ているのだから、もう話しかけられることはないだろうと油断していたところへの不意打ちだった。\ 千代 「ちょっと付いてきてほしいんだけど、いいかな?」\ その僅かに赤く染まった頬に、少しどきりとしてしまう。\ 俺はその動揺を表に出さないように応じた。\ 望 「う、うん。わかったよ」\ ユウ 『何だか、期待できそうな雰囲気ですねぇ』\ 期待なんて出来るわけないだろ……。\ ;教室 望 「こんな空き教室で……どうするの?」\ ;千代照れ 千代 「あ、あのね。本当はバスケ部の誰かにお願いしようかな、って思ってて」\ 望 「……うん」 千代 「こんなこと頼むの、本当に失礼なことだって、わかってる。わかってるんだけど……」\ 望 「俺に出来ることなら、協力するよ」\ 素直にそう思っている。\ 思うことが出来ている。\ 千代 「ありがとう。……あの、あのね。私の、こ、こっここくっ……」\ 望 「コクのあるスープの秘訣を教えて欲しい?」\ ;千代怒り 千代 「う、うちのラーメン屋には、どうしてもあなたの味が必要なんです! って違くて!」\ 望 「いいノリツッコミだね……」\ ;千代照れ 千代 「もうっ! 私は、天宮くんに告白の練習相手になってほしくてっ」\ ユウ 『……ふう』\ 望 「練習相手……」\ ほらね、やっぱり期待なんてしなくて、良かったじゃないか。\ 本当に……@本当に。\ 千代 「私、実はね、紡くんのことが好きなの」\ 望 「うん、知ってる」\ 千代 「えええ!?」\ あ、やばい間違えた。\ 望 「い、今のはなし。ごめんなさい知りませんでした」\ 千代 「今のなしって、なにっ!?」\ 望 「嫌だなあ冬木さん、こ、ここはノリツッコミをする場面だよ」\ 千代 「もうノリツッコミなんてしたくないし、そういう場面でもないと思うっ!」\ ユウ 『素直に知ってたっていったほうが早そうですよ』\ そうだな。\ 望 「……ごめん。実は知ってたよ。冬木さんと紡の様子みてたら、なんとなくわかったから」\ それでも、この二月十四日が来るまでは、ただの友達同士なんだと思っていたけれど。\ 千代 「そ、そうなんだ。紡くんの親友だもんね、そのくらいのこと気付いても、おかしくないか……」\ 望 「もちろん、紡はそのことを知らないから大丈夫だよ」\ 千代 「良かったぁ」\ 冬木さんが胸に手をあてて安堵の息を吐く。\ 望 「それで、俺は何をすればいいのかな?」\ 千代 「そうそれ! えっと、紡くんがどんなシチュエーションや状況で告白されたらぐらっと来るか、っていうのを教えてほしいの!」\ 望 「なるほどね」\ 紡には正面から真っ直ぐに行くのが効果的だよ。\ ……というのは、最後に言おう。\ 今はこうして冬木さんと話すことが出来ている時間を、少しでも長引かせたい。\ そんな感情が、抑えられない。\ 望 「そうだなぁ」\ 1:邪気眼を持たぬものにはわかるまい…… 2:後輩が先輩に校舎裏で…… 3:戦場に赴く兵士達が…… 4:エロス 1: 望 「じゃあ、教えるから少し実演してみよう」\ 千代 「う、うんわかった!」\ ;背景岩場 千代 「ここには強者の波動を感じる……。おや、そこにいるのは……」\ 望(紡役) 「ふっ、やはり貴様か……久しいな」\ 千代 「 チョコレート お前に、私の『聖者の甘い囁き』を受けることができるかな?」\ 望 「なっ、この秘宝は……! そうか、俺と貴様は運命で結ばれた者同士ということか……」\ 千代 「付き合ってくれないか……」\ 望 「断る理由はない……」\ 千代 「って、何よこれぇ!?」\ ;背景 教室 ;千代 怒り 望 「え、紡の好きそうなシチュの実演……かな?」\ 千代 「嘘でしょ! それに『聖者の甘い囁き』って何よ?」\ 望 「ふっ、邪気眼を持たぬ者にはわかるまい……」\ 千代 「わかりたくないよ」\ 2: 望 「じゃあ、教えるから少し実演してみよう」\ 千代 「う、うんわかった!」\ ;背景校舎裏 千代 「はあ、はぁ。センパイ! お待たせしてすいません!」\ 望(紡役) 「ん? ああ、気にしなくていいけど。何の用だ?」\ 千代 「じ、実はボク、センパイに渡したいものが……」\ 望 「おお、何だ?」\ 千代 「はい! チョコレートです!」\ 望 「え、あ、そういえば今日はバレンタインデーだったな。まさかお前……」\ 千代 「ボク、センパイのことを思うと、毎晩おちんち……!? な、何よこれ?!?」\ ;背景教室 望 「え、紡の好きそうな属性に合わせたんだけど」\ 全部言い切らせられなかったか……!\ 千代 「私が男の子役になってるじゃない!」\ 望 「だって紡も男の子大好」\ 千代 「絶対嘘でしょっ!」\ 3: ;背景思い浮かばん…… 千代 「明日になれば敵が大勢攻め寄せてくるでしょうね……」\ 望 「ああ、そうだな。……ん。誰の写真を見てるんだ? お前の男か?」\ 千代 「違います……。この戦争から生きて帰れたら、告白しようと思ってるんです」\ 望 「そうか……」\ 千代 「いつもこうしてロケットを下げていると、あいつが守ってくれる気がして」\ 望 「生きて帰れるといいな。ん……? 少し外が騒がしいな」\ 千代 「あ、私が見てきますよ。少尉はここで待っててください」\ 望 「すまんな」\ 千代 「すぐ戻ります……って、戻れないでしょっ!!」\ ;背景教室 望 「えー、ここはロケットに銃弾が当たって助かる生存フラグだよ」\ 千代 「それ以上に死亡フラグの壁が高すぎるでしょ! そもそも告白してないし!」\ 望 「ばれたか」\ 千代 「ばれたか、じゃないよっ!」\ 4: 千代 「ねえ、この『エロス』ってなに?」\ 望 「やっぱり男たるものエロには弱いと思うんだ」\ 千代 「お、男の子はやっぱりそうなの……?」\ 望 「うん。だから全身にチョコを塗りたくって……『千代コレイト』を、召し上がれ。と」\ 千代 「出来るわけないでしょっ!!」\ 望 「ですよねー」\ ・どれを選んでも合流 千代 「もうっ、天宮くん真面目にやってよ~」\ 望 「ごめん」\ 千代 「……くすっ。でも、面白かったけどね。天宮くんってあまり話したことなかったけど、こんなに面白い人だって知らなかった」\ 望 「少しでも笑えてもらったのなら、良かったよ」\ 千代 「あはははははっ」\ 望 「…………うん」\ 俺は、笑わない。\ 冬木さんの前で、気持ち悪い引き笑いは晒せない。\ だから、少しだけ笑顔を作ってごまかしていた。\ 千代 「あーっ、それそれ!」\ 望 「え?」\ 千代 「天宮くんってば、皆が大笑いするような場面でも全然笑わないよね。だから今日は意外だったんだけど……」\ 望 「あ、ああ……俺は……」\ ユウ 『そういえば、僕もその辺りのこと知らないなあ』\ 望 「俺は……」\ 過去の傷が、少しだけ痛んだ。\ 千代 「あ、別に、言いたくないようなことがあったのなら、無理して話さなくてもいいよ?」\ 望 「いや、大したことじゃないんだ。……ただ、笑い方が気持ち悪いってだけで」\ 千代 「笑い方?」\ 望 「そう、強烈な引き笑いでさ」\ ユウ 『そんなことだったんですか……』\ そんなことじゃない。\ 人から気持ち悪いって言われるのは、本当に辛いんだ。\ 千代 「そうなんだ……。でも、私は天宮くんが声を上げて笑ったところを見たことがないから、何とも言えないけど」\ 望 「うん」\ 千代 「笑いたい時に、周りの目を気にして笑えないっていうのは、凄く悲しいことなんじゃないかって思う」\ 望 「…………そうだね」\ ;千代 笑顔 千代 「実際に見もしないで良くそんなこといえるなって思われるかもしれないけど、私は一緒に笑ってる人を絶対に馬鹿になんかしないよ」\ 望 「冬木さん……。ありがとう」\ その言葉だけで、どれだけ救われるか。\ 千代 「ごめんね、偉そうなこと言って」\ 望 「そんなことない、嬉しかったよ。お礼にってわけじゃないけど、紡にはさ」\ 千代 「?」\ 望 「真っ直ぐに、正面から普通に告白するのが一番いいと思う」 千代 「……そっか。やっぱり、下手に策を弄するよりそっちのほうがいいよね」\ 望 「うん」\ 千代 「ありがとう。天宮くんと話せて良かった」\ 望 「どういたしまして」\ むしろ、俺の方が感謝をしたいくらいだ。\ 千代 「そろそろ、紡くんを校舎裏に呼び出した時間だから、私行くね? それじゃ!」\ 望 「……うん、頑張って」\ 紡は、ちゃんと話を聞くことが出来るだろうか。\ 俺は教室を飛び出そうとする冬木さんの後姿を、喜びと不安がないまぜになった目で見つめていた。\ ;暗転 俺はこの時、すっかり気を抜いていた。\ まさかこんなところで、人を――人の願いを妨げる運命の悪戯が起こることになるなんて。\ ;背景 廊下 千代 「きゃっ!」\ ;画面揺らし 冬木さんが廊下に出た直後、横から走ってきた男子生徒とぶつかった。\ 望 「あっ!」\ その瞬間を目撃した俺も、つい声を上げてしまう。\ 冬木さんは戸に肩をぶつけ、倒れこむ。\ 男子生徒 「わりいっ! でも急いでるからっ!」\ 男子生徒は倒れた冬木さんに目もくれず、廊下を走り去っていった。\ 千代 「……ったぁ……」\ ユウ 『なに見てるんですか! 早く診てあげないと!』\ 望 「あ。ああ」\ 情けないことに、俺はボーっとしてしまっていた。\ 望 「冬木さん、大丈夫?」\ 千代 「う、うん……大丈夫」\ そうは言うが、冬木さんの顔はどうにも苦しそうだ。\ 望 「肩ぶつけてたけど、保健室行ったほうがいいんじゃ……」\ 千代 「ほ、本当に大丈夫。早く行かないと……あっ!?」\ 冬木さんが突然に驚きの声を上げて、自分の床についた手の辺りを見ている。\ その視線の先には、手のひらの下敷きになって押しつぶされた鞄があった。\ 千代 「ち、チョコがっ……」\ 急ぎ鞄の中からチョコの箱を取り出し、中を改める。\ ;千代悲しみ 千代 「そんな」 ……だけど、その中には、真っ二つに砕けたチョコだけがあった。\ 千代 「そんなことって、ないよ……!」\ 全て終わった。\ 冬木さんが、そんな悲しみに染まった表情で嗚咽をあげている。\ 俺は、それをただ見ているだけ――。\ 見ているだけ……で、いいわけがないだろう……!\ 望 「冬木さん。チョコを砕けちゃったかもしれないけど」\ 千代 「……?」\ 望 「紡への気持ちは、変わらない筈だよね?」\ 千代 「……うん」\ 望 「だったらさ、その気持ちは、チョコがなくてもきっと紡に伝わるよ」\ 千代 「そう、かな」\ 望 「うん。紡の親友である俺が保証するよ。あいつなら、きっと――」\ きっと、真摯に答えてくれる。\ そう思って冬木さんを校舎裏まで送り届けたのに。\ ;暗転 間を置いて校舎裏に向かって、そこで見たのは悲嘆に暮れる冬木さん一人だけだった。\ ;背景 部屋 そして俺は、そんな冬木さんに声をかけることができないまま部屋にいる。\ 一人、ベッドに寝転がっている。\ ユウ 『あの、一つ聞きたいんですけど』\ いや、一人じゃない……か。\ 姿は見えないけど、仲間ならここにいる。\ 望 「なんだ?」\ ユウ 『紡さんを探していたのは、最初から冬木さんを応援する為だったんですね?』\ 望 「流石にわかるか」\ ユウ 『そりゃ、わかりますよ』\ 誰よりも俺を近くで見ているのだから、わからないほうがおかしいか。\ ユウ 『何故ですか? 冬木さんを応援したって、望さんがチョコをもらえるわけじゃないのに』\ 望 「……ごめんな、お前にはやっぱりそういう風に見えちゃうよな」\ ユウ 『何か、あるんですか?』\ 望 「俺はやっぱり、好きな人からチョコをもらいたい」\ ユウ 『それじゃあ……』\ 告白したらいいじゃないですか、というユウの言葉を俺は遮った。\ 望 「でも、まずはけじめをつけたいと思う」\ 勇気が持てるかもしれない、だからこその選択。\ 望 「何にせよ、明日はいろいろと細工をしなきゃいけないんだ。今日は早くねるよ」\ ユウ 『はい……おやすみなさい』\ 大変になりそうだ、と呟きながら。 俺は床についた。\ ;暗転 ;背景 部屋 五時四十分。\ ユウの助けがなくても何とか目を覚ますことができた。\ ユウ 『おはようございます』\ 望 「おはよ」\ ユウ 『今日は、どうするんです?』\ 望 「まずは母さんを公園に行かせないようにすることから、かな」\ ユウ 『そうですかー』\ 望 「なんだ、妙に素っ気無いなー今日は」\ ユウ 『……いえ、望さんがやろうとしていることは応援しています。好きな人に、チョコがもらえたらいいとは思っています』\ 望 「だったら」\ ユウ 『でも、望さんが傷つくだけの結果に終わる可能性が高いっていうのに、そう大手を振って見送るなんてできませんよ』\ 望 「……ありがとう。でも俺は大丈夫だ。少しの勇気が持てたのも、このループのおかげだから」\ 俺は大丈夫。\ 自分に言い聞かせて、俺は制服に着替えて一階に降りていく。\ ;暗転 ;リビング 母 「ふーんふーん、朝のわくわくクッキングー♪ 牛丼豚丼カルビ丼ー♪」\ 望 「母さん、おはよう」\ 母 「あら望、おはよう…………?」\ 陽気に鼻歌を歌いながらリビングに入ってきた母さんを出迎えると、母さんは一体何が起きているのかわからにといった顔をして固まった。\ 母 「私、まだ寝てるみたいねー」\ 望 「いやいやっ! 起きてる起きてるっ!」\ 寝室に戻ろうとする母さんを引き止める。\ 母 「あ、あら本当。望、まだ起きる時間には余裕があるんじゃない?」\ 望 「うん、今日は少しやらなきゃいけないことがあってさ」\ 母 「あらあら、何だか出来る男の顔になってるわよ。かっこいいわ~」\ 望 「父さんみたいに、なれてるかな?」\ 母さんは少しだけハッとした表情を見せて、それでもすぐに笑顔に戻った。\ 母 「そうね。望も段々と、あの人みたいないい男になって来てるわ」\ 望 「そっか、良かった」\ 母 「じゃあ、朝ごはん作るからちょっと待っててね」\ 母さんが台所に向かおうとしたその時。 家の電話が、紡からの着信を告げた。\ 母 「あら、誰かしらこんな早くに」\ さあ、ここからか。\ 本来ならここで受話器を取りたかったが、母さんの方が電話の近くにいたのでそれは出来なかった。\ ……まあ、母さんならきっと俺の言うことを信じてくれるはずだ。\ 母 「あら、紡くん。こんな朝からどうかした? 望に変わったほうがいいかしら」\ 母 「え、私に? ふんふん、公園に……ね。はいはーい、朝食作ったら行くわねー」\ そして受話器を置いた母さんに、なるべく不自然にならないよう話しかける。\ 望 「紡から?」\ 母 「ええ、もしよろしければ六時半くらいに公園に来てください。ですって、何があるのかしら~?」\ 告白が待っているんだよ、とは言えない。言えるわけがない。\ 母 「とりあえず朝ごはんの準備しちゃうわね」\ と台所に向かった母さんに背を向けて、適当に携帯で音楽を鳴らす。\ そして電話に出る振りをしてすぐに切った。\ 望 「お、おお。紡か? どうした、こんな朝早くから」\ 電話の相手もいないのに、いかにも相手がいるように話すのは意外と難しいものだ。\ 望 「何? 母さんに、やっぱり明日にしてくれって伝えて欲しい? お前なあ、そういうことは直接言えよ。ん……あーわかったわかった。伝えとくから! じゃあな」\ わざとらしく声を張り上げたから、母さんにも聞こえていたのだろう。\ 母 「どうかした? 望、紡くんに何かあったの?」\ 望 「うん、どうにも急用が出来たとかでさ。明日の同じ時間に来て欲しいってさ」\ 母 「あらそう。わかった、明日の朝ね~」\ 母さんは疑うことなくすんなりと信じてくれた。\ 実の息子の言うことは、この人は大体なんでも信じてしまう。\ オレオレ詐欺なんかされたら、あっさりと金を振り込んでしまいそうで少し怖い。\ それでも俺は母さんにとても大事にされてきて、俺もこの人を大事にしていきたいと思っている。\ 望 「母さん」\ 母 「なあに?」\ 望 「俺さ、今まで全然駄目な人間だった。いろんな物を怖がって、逃げてきて……」\ 母 「望?」\ 望 「父さんがどんな人だったかは、良く知らないけど。いつか母さんに『父さんを超えた』って認められるような男に、なってみせるから」\ 母 「……そう、待ってるわ。ずっとずっと、私は望を見てるからね」\ 望 「ありがとう。じゃあ、行って来る」\ 母 「あ、あら。朝食はどうするの? 望!」\ 望 「ごめん! 今日はいらないよ!」\ 引き止める母さんの声を振り切って、俺は外へと飛び出した。\ ;背景 通学路 望 「うーっ、さみいいいいっ!」\ 肩で風を切りながら走り、公園に向かう。\ 辿り着いた公園では、紡がやたらとそわそわしながら母さんの到着を待っていた。\ ;背景 公園 ;紡 通常 望 「よっ、紡」\ 紡 「おう、望! って……あれ? なんでお前が来てるんだよ」\ 望 「メッセンジャーだよメッセンジャー。お前携帯の電源切ってただろ」\ 紡 「あ、ああ。余計な邪魔が入らないようにな……」\ 望 「なんだよ邪魔って、そもそもお前人の母親呼び出して何しようとしてたんだ?」\ ;紡 照れ 紡 「べ、べべべべべべべべべつに何でもねえよ? ただ、今日の株の値の動きはどうですかー? って話をだな」\ 望 「(ピー)才まで為替を漁師が集まる市場か何かと勘違いしていた母さんとする話ではないな……」\ 紡 「ば、ばっかやろう! お前な、陽子さんはな、影でトレーダーしてんだよ!」\ 紡 「陽子さんが指一本動かすだけでゲイツの尻の毛まで毟り取れるような敏腕ハンターなんだよっ!」\ こいつは実の息子を前にして何を言い出すのだろうか。\ 面白いからほっといてもいいが、埒があかないので本題を切り出すことにした。\ 望 「あー、まあいい。母さんが裏世界の支配者だろうが六天魔王だろうがいいさ。ただ、今日は母さんここに来れないからな」\ 紡 「え……?」\ 望 「何でも急用が出来たとかで、明日の同じ時間にして欲しいんだってさ」\ 紡 「まじか」\ 望 「まじだよ」 紡 「陽子さんが信用してるお前が言うんだったら、そうなんだろうなあ……。はあ、仕方ないか」\ まだ振られたわけじゃないんだからなと、紡は気を取り直したようだった。\ ……良し、これで冬木さんの告白への障害は大体取り除くことが出来ただろう。\ 望 「よし、お前の用事は終わったな?。だったら俺はちょっと行きたいところがあるんだが」\ 紡 「行けばいいじゃねーか」\ 望 「お前も来るんだよ」\ 紡 「お、おい引っ張るなって! わかった、行くからよ!」\ ;暗転 俺は紡の腕を引きずり、前のループで冬木さんと合流した道まで歩いてきた。\ ;背景 通学路 紡 「ここに何かあるのか?」\ 望 「しばらく待てばわかる」\ ………………\ …………\ ……\ そしてそろそろ寒さで硬直しそうになっていた頃。\ ;千代 驚き 千代 「あ、あれ? 紡くんに天宮くん。こんな所で固まってどうしたの?」\ ようやく冬木さんが現れてくれた。 正確な時間を覚えていなかったせいで、どうにもやりにくいな……。\ 望 「おはよう冬木さん。さ、一緒に学校へ行こうか!」\ ;千代 通常 千代 「え? うん、おは……よう。えっと、一緒に学校に行くのはいいんだけど」\ どうにも冬木さんは状況を掴みかねているようだ。 まあ、当たり前か。\ 紡 「おい、ここで待ってたのはもしかして冬木が来るのを待ってたのかほげぁっ!」\ 望 「あっ、悪い悪い! つい足が滑ってブラジリアンキックを!」\ 千代 「今の、狙ってなきゃ出せない鋭い技のキレだったよ……」\ 望 「いやー、昨日ホーリーランド一気に読んだ影響かなー」\ 読むだけで強くなった気になれるよね。\ 紡 「う、うぐぅ。紡、お前何を……」\ 望 「ほらっ、たい焼きなら後で買ってやるから、さっさと学校行こう!」\ 千代 「今日の天宮くん、なんだかおかしいよ……?」\ 望 「いやだなあ。俺はいつもこんな感じだよ?」\ 紡 「ん、まあそうだな……。俺や優の前以外でこんなハイテンションになるのは珍しいけど」\ 蹴りのダメージから回復した紡が調子を合わせてくる。\ 千代 「……へぇ、そうなんだ。天宮くんってもっと静かな人って印象があったから」\ 紡 「ま、遊んでる時は二人でいつもはしゃいでるからなあ。今日はそのときに輪をかけてテンション高めだけど」\ 望 「今日はなんとなく、いいことがありそうな気がしてね」\ 紡 「なんだ、チョコをもらうアテでもあるのか?」\ 千代 「ほわぁっ!」\ 紡の言葉に反応して、冬木さんが突然奇声を上げた。\ 恐らくチョコというワードが琴線に触れたんだろうけど、それでも動揺しすぎだよ冬木さん……!\ 紡 「冬木、どうかしたか……?」\ ;千代 照れ 千代 「べ、べちゅにっなんでもナイヨっ! き、昨日読み返した北斗の拳を思い出しちゃったの。馬上の不利を知れ! 北斗七死騎兵斬! ほわっちゃあ! なんちゃって……」\ やばい、凄く面白いテンパり方をしている。\ 紡 「なんだ、冬木も北斗読んでたのか! 俺もあれ大好きなんだよ」\ 千代 「わ、私は紡くんが好きだって聞いたからその……ゴニョゴニョ」\ 紡 「ん、良く聞こえなかったぞ」\ 千代 「なんでもないっ! なんでもないなんでもなければなんでもないときにっ!」\ 紡 「何言ってるのか良くわからんぞ」\ 望 「まあまあ。誰にだって触れられたくないことくらいあるさ、お前にだってそのくらいあるだろ? なっ!?」\ 母さんのこととか主に母さんのこととか、後母さんのこととかな!\ 紡 「そ、ソウダナー」\ 紡も俺の笑みに嫌なものを感じたのか、その場はこれで収まったようだ。\ それからは適当な雑談を交わしながら、学校に向かった。\ ;背景 教室 しかし、最初の二月十四日と今の二月十四日が、同じ日だとはまるで思えない。\ そのときとは、何もかもが違う。\ ……そう、俺の心の内でさえも。\ ユウ 『…………』\ ;紡通常 紡 「しっかし、下駄箱に三つもチョコが入ってるとはな」\ 望 「手紙も三つ、か。どうするよ?」\ 紡 「んー……。断るしかないだろ、知り合いでも無い子とつきあえねーからな」\ 望 「ま、そうだよな。でもさ」\ 紡 「ん?」\ 望 「もし、知り合いから……それも仲のいい女の子から告白されたら、どうする?」\ 紡 「………………さあ、どうだろうな。その時になってみないと、わかんねぇ」\ 望 「そうか……」\ この何気ない問いにも、紡は真剣に考えて答えてくれた。\ だったら、きっと大丈夫。\ 望 「全く、お前が羨ましいよ」\ 紡 「ははっ、お前も人見知りさえやめればモテるようになるって、俺が保証する」\ 望 「……ああ、これからは頑張ってみるさ」\ そう呟いたところで、担任が教室に入ってくる。\ そして俺は、前に向き直った紡に隠れて溜息をついた。\ やっぱり俺は、@紡に――。\ ;暗転 ;背景廊下 俺は昨日と同じく、掃除を抜け出した。\ 今度は、冬木さんを待つようにぼーっとしながら窓の外を見ながら待つ。\ 千代 「天宮くん、ちょっといいかな」\ 望 「ん? どうかした?」\ 千代 「ちょっと付いてきてほしいんだけど、いいかな?」\ 望 「……うん、いいよ」\ ;背景 教室 望 「ここで、何をするの?」\ 千代 「あ、あのね。本当はバスケ部の誰かにお願いしようかな、って思ってて」\ 望 「うん」 千代 「こんなこと頼むの、本当に失礼なことだって、わかってる。わかってるんだけど……」\ 望 「俺に出来ることなら、協力するよ」\ 俺は、なるべく前回をなぞるように受け答えすることに勤めた。\ こうしていないと、自分の感情を抑えきれなくなりそうだったから。\ 千代 「ありがとう。……あの、あのね。私の、こ、こっここくっ……」\ 望 「誰かに、告白するの?」\ 千代 「そ、そうっ! 告白っ、紡くんに、告白したくて……!」\ 望 「……うん」\ 千代 「それで、その練習っていうか。今朝の様子を見て、やっぱり天宮くんの方が紡くんの好みに詳しいのかもって……」\ 望 「わかった、俺でよければ協力するよ」\ 千代 「ありがとう! 紡くんってやっぱりモテるみたいだし、普通に告白するだけじゃ何か足りない気がして」\ 望 「……それで」\ 千代 「え?」\ 望 「それで、冬木さんはどうしたらいいと思う?」\ 千代 「だ、だからぁ。それを天宮くんに訊いてるんじゃない!」\ 望 「冬木さんは、紡と今まで話してきて、あいつをどういう人間だって思ってる?」\ 千代 「ん……と」\ 冬木さんは返事に窮しているようだ。\ まあ、突然こんな話をされたらそうなるよね。\ 望 「あいつは、鈍い奴だよ。凄くいい奴なんだけど、どうしても周りくどいことには気付きにくいんだ」\ 千代 「……うん」\ 望 「だから、下手なことはせずに真っ直ぐ行くのが最良だと思う」\ 俺のアドバイスに、冬木さんは納得するように何度も頷いた。\ 千代 「そっか。……うん、そうだよね」\ 千代 「天宮くん、ありがとう。私、真正面から真っ直ぐに告白してみる」\ 望 「参考になったのなら幸いだよ」\ 千代 「うんっ! じゃあ私、行くね? そろそろ紡くんを校舎裏に呼んだ時間だから」\ 望 「頑張ってね」\ そして俺は、鞄を持って教室を飛び出そうとする冬木さんを見送る……。\ 望 (ん……?)\ 何かを忘れているような。\ ユウ 『望さんっ! 彼女を止めないと!』\ ……そうだっ!\ 望 「冬木さんっ!」\ 俺は、廊下に出ようとした冬木さんの肩を掴み、力いっぱい引き寄せた。\ 千代 「きゃっ!?」\ そして、廊下を男子生徒が駆け抜けていく。\ まさに間一髪だった、自分のことで頭が一杯で、こんな大事なことを忘れそうになっていたなんて……。\ 千代 「あ、あの。天宮くん……?」\ 望 「え?」\ 千代 「その。えーっと」\ ちょっと待て、今の体勢は……。\ 望 「うわっ! ご、ごめん! 抱きついちゃったりして!」\ 千代 「ううん、こっちは助けられたんだから気にしないで。……でも、何で人が来るってわかったの?」\ 望 「それは……」\ 俺は、今までのことを全て話したいという衝動に駆られた。\ だけど、そんなことをしたって何もならないことはわかりきっている。\ 望 「ただの、虫の知らせって奴だよ。それより、早く行ったほうがいいんじゃない?」\ 千代 「あ、そうだね。……天宮くん、本当にありがとう。またねっ」\ 望 「…………また」\ 今度こそ冬木さんは去っていき、教室に静寂が訪れる。\ そして、自分の頬に涙が伝っていることに気付く。\ ユウ 『泣くくらいなら、最初から応援なんてしなければいいじゃないですか』\ 望 「……泣いてなんか、ない」\ ユウ 『この世界は、今ループしているんですよ? 彼女の告白がどうなっても、全部最初に戻るのに」\ 望 「少なくとも、俺の記憶は戻らない」\ もし、冬木さんがここで告白に成功したならば、俺が何もしなくてもいつか二人は結ばれる可能性が高いだろう。\ 何せ、紡の思い人である母さんが断ることはわかっているのだから。\ 望 「俺はさ、このループを利用しようと思ったんだ」\ ユウ 『ループを、利用?』\ 望 「冬木さんが紡のことを好きだって分かったとき、俺はあの二人の邪魔はしたくないと思った」\ もし二人が付き合うことになったのなら、それでいい。\ だけど、もし失敗したら――。\ 望 「そこで、ようやく俺は自分にチャンスを与えてやれると思ったんだ」\ 度胸がなかった。@ 勇気なんてなかった。@ 変われてなんかいなかった。\ どこまでも姑息、どこまでも卑怯。\ 望 「でも、そんなんじゃ駄目なんだよ――」\ ;背景 校舎裏 紡 「冬木、こんなところに呼び出してどうしたんだ?」\ 千代 「あのね、……紡くん、えっと」\ 決定的な一言が、いえない。\ 好きという二文字が、限りなく遠い。 千代 「うう……」\ 人間は、何か行動を起こす前に、その行動によって今後どうなるのかを予想する。\ この告白をして、『成功したら』、それとも『失敗したら』。@ そして、緊張するとどうしてもネガティブな方向に考えが向かってしまう。\ もし、失敗して友達でもいられなくなったら――。\ 紡 「お、おい。どうしたんだよ」\ 千代 「わ、私……」\ でも、言わなきゃ進まない。\ ぐるぐると、思考をループさせてるだけではどうにもならないんだ。\ 千代はわずかな勇気を胸に抱き――言った。\ 千代 「私、紡くんのことが好きです! このチョコ、もらってください!」\ 紡 「……………………」\ 千代 「……………………」 紡 「………………冬木」\ 千代 「……」\ 紡 「ありがとな。@……でも、ごめん」\ 千代 「……!」\ 紡 「俺さ、実は好きな人がいるんだ」\ 千代 「え……」\ 紡 「でも、その人にはもう振られることはわかりきってる」\ 千代 「どういう、こと?」\ 紡 「その人にも、ずっと慕い続けてる人がいるから。……だから、無理だってわかってるんだよ」\ だったら、とは千代には言えない。\ 紡 「それでも、きっと振られても、俺はその人のことをずっと好きでいると思う。いくら未練がましくても、いつか振り向いてもらえるまでその人を追い続ける」\ 紡 「でも、そんなことするくらいなら冬木と付き合ったほうがいいんじゃないかって考えたんだけどな」\ 紡 「でもやっぱり、そんな中途半端な考えじゃ誰にも幸せにはできない。そう思ったんだ」\ 千代 「紡くんにそこまで思ってもらえるなんて、その人が羨ましいよ」\ 紡 「いやー、かなり不幸だと思うぜ? 何せ俺はしつこいからな」\ 千代 「……そっか。ふふっ、…………そっかぁ」\ 紡 「悪いなんて言わない。明日からはいつも通りだ、なんて都合のいいことも言わない。……『また』、な」\ 千代 「うん……『また』ね」\ 二見紡が去った校舎裏で、千代は一人空を見上げる。\ 千代 「あーあ」\ このまま一人でいたら、確実に涙を流していただろう。 ……そんなときに。\ 望 「冬木さん」\ 千代 「えっ、あ、天宮くん……?」\ 天宮望が、救いのように現れた。\ ;暗転 ;背景校舎裏 望 「さっき、紡が出ていくのが見えたけど……どうだった?」\ 千代 「あ、えっと……ね。だ、駄目だったよ! あははっ」\ 無理をして笑顔を作っているのは明白だった。\ それはそうだ、好きな人に振られて平然としている人がいたら見てみたい。\ 望 「……冬木さんは、凄いね」\ 千代 「え?」\ 望 「告白したら、そのままの関係じゃいられなくなるかもしれないって考えると……怖いって思わない?」\ 勇気がいるんだ、人に好きと伝えることは。\ 千代 「うん、怖かった。……ほんとに勇気が、必要だったんだよ」\ 次第に、千代の目尻に涙がたまっていく。\ 望 「俺はさ、今まで誰かに好意を伝えたことなんてなかった」\ 千代 「……天宮くん?」\ 望 「好かれたいんじゃなくて、嫌われたくないって、ずっと思ってた」\ 好き、嫌い、好きじゃない、嫌いじゃない。\ 似てるようで、違う言葉。\ 望 「他のカップルを妬む振りして寂しさを紛らわせて、紡への嫉妬を隠してた」\ 千代 「…………」\ 望 「こんなタイミングで言うのは、卑怯だって言われるかもしれない。でも……」\ 言うしかない。@ 今しかない。@ 次のループなんて、待っていたら駄目だ。\ 告白するなら、今しかないんだ。\ 望 「冬木さん。俺はあなたが好きです!」\ ;暗転 千代 「えっ……!?」\ そして、ぐっと目を閉じる。\ 真っ直ぐに冬木さんを見てなんかいられない。\ 今は、目が合うだけで心臓が爆発してしまいそうだ。\ 千代 「……天宮くん」\ そして、落ち着いた冬木さんの声が届く。\ 千代 「私、知らなかったとはいえ天宮くんに悪いことしちゃってたんだね」\ 望 「そ、そんなこと――」\ 千代 「……だからね、お詫びにこれをあげる」\ 不意に右手を掴まれて、手のひらにぽんと何かを乗せられる。\ 望 「……?」\ 千代 「あはは、いつまで目瞑ってるの?」\ 望 「あ、そ、そうだね」\ ;背景校舎裏 おそるおそる目を開き、手の上にあるものを確認する。\ 手のひらに置かれたそれは――。\ ラッピングされた、ハート型のチョコレートだった。\ 望 「え、これ……!」\ 千代 「……天宮くん、勇気を出して告白して……偉いね」\ 冬木さんの柔らかくて温かい手が、俺の頭に届く。\ 望 「冬木さん?」\ 千代 「でもね」\ 望 「たっ!」\ その手でそのままでこピンをされてしまい、軽い痛みが額に走った。 千代 「振られた人にすぐ告白っていうのは、タイミング悪いぞ?」\ 望 「……ごめん。でも、今しかないって思って」\ 千代 「……謝ることでも、ないんだけどね。私も悪いことしちゃったし、だからそれは……お詫びなんだよ」\ 望 「お詫び……」\ 千代 「天宮くんの告白……いまは、受けることが出来ないから」\ 望 「……………………そっか」\ 駄目、だったか。\ 想定してた形に、落ち着いたかな。\ 千代 「私も、気持ちの整理がついてないし。それに――」\ 千代 「――天宮くんのこと、まだまだ全然知らないもの」\ 望 「……え?」\ 千代 「まだまだ、これから……ね?」\ まだ、希望がある。\ そのことを理解できた時、俺は力強く頷いた。\ 望 「ありがとう、これからもよろしく。……冬木さん」\ 千代 「うん、こちらこそよろしくね!」\ 冬木さんの笑顔が、俺の心を満たしてくれる。\ 僅かな勇気と引き換えに、俺はチョコと未来を手にすることが出来たんだ――。\ ユウ 『おめでとう、望さん。……そして、ありがとうございました』 望 「……?」\ ユウ 『いろいろと迷惑をかけましたね。本当に、すいませんでした』\ ふっと、体から何かが抜け出ていく気がした。\ 実体なんてなく、感触なんて何もない筈なのに、ユウが離れていくのがしっかりとわかってしまう。\ 望 「ちょっ……」\ 冬木さんの手前、大声を出して話すわけにもいかない。\ でも、俺はまだユウに礼を言ってないんだ。\ ループというきっかけを与えてくれたユウに、ちゃんと別れを告げなきゃいけないのに!\ ユウ 『……気持ちよく消えることが出来そうで、良かったです』\ さようなら。 \ 望が得た『温かい気持ち』、それを抱いたまま、ユウは消えた。@ まるで、夕日に溶けてしまったかのように。\ 千代 「天宮くん、どうしたの? 急にぼーっとして」\ 望 「大事な友達に」\ 千代 「え?」\ 望 「ちゃんとお別れが、言えなかったんだ」\ 千代 「……? えっと、良くわからないけどさ。その友達だって、生きてるんだったらいつかきっと会えるよ!」\ 生きてないんだよね、これが……。\ だけど、幽霊が友達だったなんて言うことは出来ない。\ 俺は、冬木さんに「そうだね」とあいまいな笑みを返しながら、心の中でユウへの別れを告げた。\ ;暗転 ;背景通学路 二月十五日。\ ついにループから脱出することが出来た。\ 多分、俺はこのことを誰にも言わないだろうし、言っても誰も信じたりはしないと思う。\ だけど、ユウは確かにいた。彼と共有した時間は、確かに俺が覚えているのだから。\ 望 「ループしててもしてなくても……人生なんて気の持ちようで変わるものなのかもな」\ 結局は、俺の周りはループする前と全然変わらない。\ 変わったのは、自分自身だ。\ ;背景 校門 千代 「おはよっ、望くん!」\ ……いや、唯一つ、変わったことがあったか。\ 望 「おはよう、冬木さん」\ 千代 「……にしし、やっぱりすぐには気付かないか」\ 望 「ん? あ、そういえばさっき、名前を……」\ 千代 「そうだよ~」\ 望 「あまりにもさりげなさ過ぎて、気付かなかったよ」\ 俺は、横に並んで微笑んでくれる冬木さんの顔を見て。\ 昨日得たものが夢ではなかったのだとしっかり実感できた。\ 千代 「一歩前進、だよ」\
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880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/05(火) 20 51 08 ID VWIPz8op はやてルート続き投下します。 881 :fateはやてルート100:2008/08/05(火) 20 52 02 ID VWIPz8op (ホントにやるのかよ。はやてはそんなの…望んでない) (わかっている、が、時間は貴重だ。機会があるなら活用しない手はない。 この件は私が責任を取ると言ったろう?主には気づかれずに終わすつもりだ。 サーヴァントという連中はやっかいだがな。 マスターという魔術師達は私達が不意をつけば比較的容易に始末できる。 心配するな、失敗の可能性は低いし心臓発作となれば目の前で殺しても 主に殺人の嫌疑がかかることもないだろう) (そんなのシャマルの腕次第じゃんか。シャマルはやれるっていってるのか?) (もちろんだ。湖の騎士を信じるんだな。もうすぐシャマルも学校に着く。 お前は主の意志を尊重して黙ってみてればいい) (…知ってて何もしなかったら同じだろ…) (邪魔だけはするな。今は私の指示に従え) (…邪魔はしない。けど、はやてがトラウマ抱えるような結果にだけはしないでく れよな、シグナム) (承知した) 「まず、みんなに何して欲しいのか聞かないことには返事できんよ」 「あっとその辺から説明する必要があるわね。 もう、あなた達も巻き込まれてるから知らないでいるのはよくないし。 いいわ、説明する。あなた達に襲いかかってきたのはサーヴァントと言って―― 」 (なんで、セイバーのこと話さなかったんだ?) (遠坂さんが勝ちたがってた場合、士郎がサーヴァント喚んだってこと知られたら 、まずいことになるやろ? だから、セイバーさんには遠坂さんに気取られない位置にいてもらってる) (セイバーの存在知られたら遠坂が敵になるってのか?) (私はそう思うよ。違う言える?そやから、聖杯戦争に対する遠坂さんの姿勢を確 認するまで黙っとくんが一番や。 そんで戦って勝つ気やったらそのまま黙っとく) (騙すのかよ…) (まぁ、そうなるな) 上からはやてを見下ろす士郎の目には不快感が浮かんでいた。 はやては何でもないように自然に士郎の視線を受け止める。 そんなはやての仕草に士郎の不満は高まっていく。 けれど士郎以上に不機嫌になりかけている人が一人。あかく染まり始めていた。 882 :fateはやてルート101:2008/08/05(火) 20 53 11 ID VWIPz8op 「衛宮さ~ん?衛宮く~ん?あ・な・た・た・ち、話聞いてる? 夕暮れ時の屋上で見つめ合う二人とか演出してくれないでいいのよ?」 「え?」 「あ…」 どちらが漏らした呟きだったが二人が正面に向き直るとそこにはとてもいい笑顔 をしたツインテール。 警告を発するようにチラチラと青白く光る左腕がなんだがとっても印象的。 「私、気は長い方だと思うけど空気読めない人間て嫌いなのよね。 ついついお仕置きとかしたいと考えてしまうんだけどおかしいかしら?」 ふふ、と笑い左腕を持ち上げて何かの構えをとる姿はどこまでが冗談か。 「と、遠坂、短気はよくないぞ?俺達はきっと分かり合えるから!」 「そ、そうや、話だってちゃんと聞いとったよ?つまり、遠坂さんはこの戦いで …」 「勝つわ、参加する以上は勝つ、それが遠坂の使命だもの」 その言葉は強い自信と彼女自身の固い決意の表れ。 それは揺るぎのない重いものと感じられた。 「…遠坂さんらしいわ。負けず嫌いやもんね」 「そう?ま、そうかもね。聖杯戦争の話はこんなものよ。駆け足になっちゃった けど質問があれば随時受け付けるから。 で、あなたの使い魔にやって欲しいことというのはね、私のサーヴァントの支援 。 ぶっちゃけると殺し合いね。力は強そうでもその辺どうなのかと思ってたんだけ ど あの青い奴と戦えたならそこも合格。彼らを私に貸したあとのあなた達の安全の 保証だけど 聖杯戦争間は私の家にいてもらって構わないわ。防御には自信あるし、悪くない わよ」 魔術師の彼女が自分の工房である自宅を開放するというのは大きな譲歩なのだが この二人は魅力的な条件とあまり感じないようだった。 「はやて、どうするんだ?みんなのことは」 「遠坂さん、みんなを貸すことはできんけど協力を頼むことはできる。 けどな、シャマルは仕事、ヴィータは学校、シグナムも顧問の仕事がある。 せやからいつでも助けるというのは無理や」 「そういえば使い魔に社会性持たせているんだったっけ。人型だし妥当と言えば 妥当ね。 それ以上の感情を寄せてるとかはあなた達の問題だし私から言うことは特にない のだけど この場で返事はできない?」 883 :fateはやてルート102:2008/08/05(火) 20 54 14 ID VWIPz8op 「1日待ってくれんかな。みんなと話して決めたい」 「…言うこと聞かない使い魔ってのには私も馴れてきてるけど あなたは考え方からして魔術師じゃないのね。そんな気はしてたけど。 衛宮君も同じ?」 「ああ、あいつらは家族なんだ、遠坂。使い魔じゃない」 「家族…ね…そういえばあなた達も血は繋がっていないんだっけ? 血の繋がってない家族ってどう?」 「どうかな、俺は血の繋がった家族のことは覚えてないから違いはよくわからな い。 けど、何も変わらないと思う。いつもそばにいてくれる暖かい存在だ」 「私も士郎と同意見や。ヴォルケンのみんなは私達にとってそういう存在なんよ 」 凛は二人の回答を穏やかな表情で受け止める。 「そう…なら私が言うのもなんだけど家族、大切にね。 先程の要求を少し訂正するわ。この聖杯戦争において衛宮家は私に協力しなさい 。 回答の猶予は明日までよ」 凛の言葉に士郎、はやては互いに頷き凛を見る。 (周りにサーヴァントの気配はあるか?) 「了解や遠坂さん、前向き善処する方向で検討します」 「その答え、引っかかる言い方ね。あなたは本気か冗談かわかりにくいのよ… その顔見てたらまたアレ思い出して腹が立ってきたじゃない」 (ない、近くにセイバーがいるだけだ) 苦虫を噛んだような凛とにんまり笑うはやて。ただ、士郎だけは内容を理解でき ずにいた。 「なぁ二人になんかあったのか?」 「お、食いついたね、士郎。これはな生徒会と柳洞君が通称女狐と呼称した 運動系の部活の裏で暗躍していたエージェントとの戦いの話なんよ」 「ふん、あんたはその味方からも狸って言われてるくせに。最後まで話す気? それは寛容な私でも我慢できないのですけど。どうする気でしょうか?衛宮さん ?」 (わかった。警戒を続けろ) (承知) 再び凛の顔には士郎が恐怖するいやーな笑いが浮かんだ。 「まぁまぁ最後までは話さんから。士郎、柳洞君が予算の不平等を改善しようと しとったのは知っとるね?」 「ああ」 「その改革をさせまいと立ちふさがったのが遠坂さんや。正直華麗な根回しやっ たな。 優等生としての人脈と誰も知らなかった闘争心であっという間に大勢が決しそう やった。 そこで私は裏技を使わせてもらったんや」 884 :fateはやてルート103:2008/08/05(火) 20 56 49 ID VWIPz8op 「裏技?」 「もう正攻法やと勝ち目なかったからな。使ったんよ電話を」 「電話?それが裏技なのか?」 「わからないの衛宮君?そこの狸が私に対抗する方法?」 凛は不機嫌な顔で腕を組みながらそう士郎に尋ねる。 (標的は変わらない。私の合図でやれ。タイミングも指示する) (わかったわ) 「士郎にも見せたことあったけどな。遠坂さんの声色の真似」 「あ!?あれか、それで電話…なるほど」 「本物の真似して偽情報流して混乱させたりとなかなかエグいことさせてもらい ました」 「ったく本当よ。各部や先生方に調整しにいったらその話はさっきしただろとか 。 もう決めたじゃないかとか悪い夢かと思ったわ」 ぐぐっと拳を握る凛は口惜しそうにはやてを睨む。 「それで、私の偽情報によって足並みが乱れたり正しい現状の認識ができなくな った運動系の部活の皆さんは 団結できなくなってそこを柳洞君に各個説得されて行ったというわけや」 「それじゃ遠坂の面目丸つぶれというか。確かに裏技だな。単に負かすだけじゃ なくて 第三者的には遠坂の言うとおりにしたのに負けたと思わせる嫌な効果がある…」 「身に覚えないことでとやかく言われることがあれほど気分悪いとわね。 使い魔放って誰がこんなふざけた手を使ったのか探ったんだけど犯人を発見した 時は 本当に殺そうかと思ったわ」 「はやて、よく無事だったな…」 「その頃しばらくの間、対修羅場ウェポン、三枝さんと昼とか ご一緒させてもらってたからやろか。特に闇討ちとかは受けんかったよ」 「そんなみっともない手は使わないわよ。予算決議の後、この屋上に呼び出して あなたには言ったわよね。 次は負けないからって 。この聖杯戦争で借りを返してやろうかと思ってのだけど 令呪が浮かんでないんじゃ仕方ないわね。勝負はお預け。 私ね、これでもあなたの抜け目ないとことか割と嫌いな方じゃないから できれば一緒に戦えればと思ってる。いい返事期待してるわ。 …私からもうないけどなんかある?」 885 :fateはやてルート104:2008/08/05(火) 20 58 34 ID VWIPz8op 「特にないかな…俺も遠坂と戦わずに済んだら嬉しい」 「そうね、衛宮君、あなたとはあまり話したことなかったけど味方になったら宜 しく」 士郎に向けられた凛のその表情は猫かぶりでない純粋な笑顔。 向けられた本人の心臓はこんな状況に弱く激しく動揺せずにはいられない。 結果、喉に何か詰まったように様子がおかしくなった士郎を凛は訝しげに覗き込 んだ。 「衛宮君?どうかした?」 「あっと…その…なんだ…」 顔が近い… 「はい!はい!話は以上なんやね遠坂さん?私らと組めたらええね。 士郎もほら、しゃきっとする」 士郎の襟首をグイグイって引っ張って引き寄せる。おたおたしていた士郎は軽い 力でも 引っ張られ凛から引き離された。一瞬何事かと思った凛だが すぐに面白いものを見つけたという顔になる。 「衛宮さん、私あなたの弱み掴んだような気がするわ」 「な、なんやろね。それより遠坂さんのあの最後の華麗な反撃の話してもええか なぁ」 「ちょっと!その話喋ったたらあなたの弱みどんどん突くわよ!!」 「知らん、私に弱みなんてないもの」 シラっと澄ました顔で顔を背ける。 「本当に?じゃあそういうことで。ちょっといーい?衛ー宮君」 「え!?」 スッと軽やかな足取りで凛は踏み出すと…士郎の腕に組み付いた…。 「な、な、な……ふ、ふーん。節操無いんやね。遠坂さん。 碌に話したこともないような男子に抱きつくなんて、が…がっかりやね」 「くくく…あははっいい顔ね。衛宮さん。私あなたのそんな顔見たかったわ。 衛宮君には悪いけど時々こうやって彼女をからかわせてくれると嬉しいわね」 (緩んだな) 「あ…俺ならいつで…い…いやいや女の子が気安く男に抱きついたりしたらダメ だ」 「へー衛宮君て堅い方なっ……」 凛が言葉を最後までは嗣ぐことはできなかった。気が緩むこの時を狙い続けてい た者達は僅かな隙を逃さない。 彼女の背後から伸びた腕は背を貫き心臓を掴み、弄る。 呼吸は自由を失い血液はあらぬ方向へ流れ行く。 「がっ…はっ!?ゲ…ホッ…」 「遠坂!?」 「遠坂さん!?」 口から漏れた鮮血が西日刺すコンクリートに新たな色を加えた。 402 :fateはやてルート105:2008/08/16(土) 14 34 18 ID Rgcl6M7E 十数分前――― (そろそろ来てもいい頃だと思うんだけどな) クロノは朝同様学園の校門の側に再び立っていた。時刻は16時を回り夜は間近である。 学園の生徒達は思い思いに家路へとついていた。 その中に探し人がいないか目を光らせているが一向に現れない。 あの金髪娘は昼間の約束を忘れたのではないかとクロノは疑い始めていた。 そのクロノに近寄る気配が一つ。 「なぁ、あんた誰か待ってるの?最近色々物騒だし不審者ならお帰り願いたいんだけどね」 クロノを前に話しかけてきたのは凛々しいという言葉が似合いそうな女生徒だった。 「君は?」 「あたしのことはどうでもいいよ。質問に答えなって。どうなの? あたしは結構腕には自信があるよ」 「…特に怪しい者じゃない。一応人待ちをしてる。衛宮はやてって子だ」 「はやて?てっきり待ち合わせだとしたらさっきから あそこでこそこそしてる三人かと思ったけど」 「彼女達じゃない」 女生徒が口を歪めて後ろに振り返るとこっちに振るなと抗議の声。 「あいつら結構バレないようにうまく隠れてたけど気づいてたとはね。お兄さん結構できる人?」 「人並みだよ」 「…まぁいいか。で、はやてに用ねぇ。あいつとどういう知り合い?」 「君が彼女の友人だと思って話すけど、僕は彼女の養父の知り合いになる。 その人のことで少し相談があったんだよ」 「へー、家のことなら部外者のあたしが関わる話じゃないけど、確か衛宮の親父さんは亡くなっていたような… ああっと…すいません詮索する気はないです」 「誤解ないように言っとくと衛宮士郎の養父とは別の人だよ。 彼女は衛宮切嗣より前にも世話になっていた人がいるんだ」 「えっ!?知らなかった。それで衛宮のとこに引き取られたってことはその人は…」 「行方不明。ただ、手掛かりが見つかったって警察から連絡があったからそのことを彼女と話そうと思ってね」 「そうなんですか。あ、あと一ついいですか?」 「なんだい?」 言おうかためらい悩んでいる少女の視線の先には例の三人が顔を覗かせていた。 「あいつらとはどんな関係?」 「えーとだな。彼女達とは…」 眉間に皺を寄せて苦慮する。陸上部三人娘の存在はクロノにとって一番頭の痛い問題となってきていた。 404 :fateはやてルート106:2008/08/16(土) 14 38 45 ID Rgcl6M7E 空間を越え、距離を無にする術法により胸部は背後から抉られる。 暗殺者の腕は狂いなく少女のそれを掴み意識を刈り取る激痛を全身に与えていた。 (やったか?) (ええ、心臓は掴んだわ。でも…) (躊躇いは…今はよせ。長引けば主にも攻撃だと気づかれる) (…そうね…やるわ) 言葉の途中、和やかな雰囲気での凛の突然の変調は 士郎、はやてを驚かすに十分だった。 「遠坂、どうしたんだよ!?」 「胸が苦しいん?保健室行く?」 二人が声をかけた時、胸を押さえ苦しみ咽ぶ凛は明らかな異変をきたした。 嗚咽とともにもれたのは赤い液体。それは屋上だけでなく凛の顔を覗き込んでいた士郎も巻き込み 表面に毒々しい模様を添えた。 「遠坂!?」 (やって…くれ、る…じゃない。こ…うなったら…) 残された意識を総動員してただ一言だけ伝える、いや命じる。 マスターとして3つと限られた力を、最強を自負する尊大な男を呼び出すために、 飛び来て異物を排除せよ!心奥で強く念じ古き家系が築き上げた奇跡の聖痕を起動させる。 端的な命令ならば亜光速をも可能とするであろうこの大魔術。 ならばかの英霊をこの場に召喚するなど (シグナム!来るぞ!) 「なにっ!?」 容易きこと。 人では到底知覚できぬほどの極限速度、できたならばその者はいかに優れた感覚の持ち主か。 眩い光を身に人の形を以て冷たき石の上に顕現した英霊は他には目もくれずただ主を害する者へ力を振るう。 「引くんだ!シャマル!!」 「えっ!?い、ああああああああああああああああああああああ!!!!!?」 誰の目にも捕らえられぬ圧倒的な速度で刃を手に虚空から主へと伸びる腕を根元から両断に処す。 令呪によって支えられた行動は何の妨害もなく抵抗もなく、ただ当然に自然に行われた。 士郎達は目の前に現れた男が凛の体に食い込んでいた不埒な腕を抜き、投げ捨てるという行為に移っても 尚、何が起こったのか理解できなかった。 「凛!だから一人で学校に行くなとっ!?……貴様は…衛宮…士郎」 凛を片手で抱き寄せ小言を言おうとした男の眼前には宿願を果たすための獲物が男を驚き見つめていた。 405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 14 38 57 ID foZwgh/S 403 無限分の一の可能性で星くず英雄伝思い出した 406 :fateはやてルート107:2008/08/16(土) 14 42 50 ID Rgcl6M7E 「ククク…アーハッハ、これは…天佑か。今貴様を殺しても凛とて文句は言うまい。 貴様が凛をこんな目に合わせたかは聞かん。そんなことはどうでもいい、ただ、貴様はここで死ね」 「あかん!士郎逃げるよ!」 男の剣幕は一昨日の青い男同様、殺しを厭わない狂気のそれ。 はやては固まっている士郎の腕を掴むと彼女なりの全速で屋上からの出口を目指す。 だが、そんな抵抗など英霊の前では児戯に等しい。 「凛は…まだ息はあるが…そんなにはもたんか…では、一撃で終わらせてやる衛宮士郎」 凛の容態を確認すると再び獲物に目をやる。獲物はいまだに出口からかなり離れている所で右往左往しているようだった。 「はやてっ!?どうした?」 「…ごめんな…今日の限界、もう、歩けへん…士郎は行ってや」 「ばっか野郎!そんなことできるか!」 「大丈夫、セイバーさんがすぐ来てくれるやろうし口振りから狙いは恐らく士郎や。 私はやられんて。せやから士郎は行って!」 地面に膝をつき下から見上げるはやての手を士郎は離せなかった。 「親父に頼まれたんだ!はやてを置いてくことなんてできない! セイバーが来るまで俺がここで耐える」 上着を脱ぎ強化を…と考えた士郎だったが白髪の男はそんな時間を与えてはくれない。 凛を地面に横たえた男は黒い短刀を投擲する構え。 唇の端をつり上げた男の腕から凶器は放たれ勇躍、標的へと滑空する。 サーヴァントの攻撃と二人が気づいた時にはすでに遅く、士郎の額に刃が突き刺さる。 はずだった。 「やらせるかよ!!」 宿願を潰えさせたのハンマー。弓兵とは別にもう一つの赤いイメージが両者の間に降り立ち、 細い足で力強く地面を踏み締め対の刃を強大なハンマーで打ち据えた。 「マスター!、はやて!無事ですか?」 「セイバーも来たか…フン、ここは引く」 即断即決。凛を抱えての不利を悟った弓兵は凛を抱えると逃走を試みる。 「サーヴァント、我がマスターに攻撃を加えておきながら悠々と逃げられると思っているのか?」 「よせ!よしてくれセイバー…いいんだ…行かせてやってくれ…」 「マスター…」 「フッ後悔することになるぞ間抜けが」 口を歪めて挑発的な顔のまま、弓兵は跳躍し徐々に視界から消える。 407 :fateはやてルート108:2008/08/16(土) 14 48 50 ID Rgcl6M7E 凛と弓兵が去った屋上に残されたのは凛が吐いた僅かな血反吐と それより大量の血とともに転がっている細く長いおそらくは女性の腕。 そしてその腕を見つめる士郎、はやてと二人を見守る二人の騎士。 「なぁヴィータ…あれは誰の腕だか知ってるか?」 「…腕だけで誰かなんて判別できっかよ…」 「なんで、セイバーより速く来れる距離にいたんだ?」 「…それは…学校が早く終わったから会いに来たんだ…」 小さな声で返答するヴィータを前に士郎は座ったまま叩き落とされた凶器をいじっていた。 「そうかよ。俺には言う気はないってわけか。もう…勝手にしろ」 士郎は立ち上がると短刀を片手に階段に向け歩き始めた。 「マスターどこに行くのですか?」 「セイバーも来るな…」 「しかし…」 「一人に…させてくれ」 立ち去る士郎を誰も止められはしなかった。士郎の姿が見えなくなると セイバー、ヴィータは座り込んだままのはやてに向き直る。 「はやて…士郎はあたしがなんとかする。少なくともあいつの身は守ってやる」 「…頼んでええか?」 「はやては…何も聞かないのか?」 「なんも…みんながしたことは私には責められん。けど、士郎にとっては…な」 「そっか…。許してくれとは言わないけどさ…ごめんな、はやて。 じゃ、あいつ追っかけてくる」 「ん、気をつけてな」 残されたのははやてとセイバー。 「私もマスターを狙って勝ち上がるという手段が悪いとは思いませんが 今回の件はあなた達らしくなかった。マスターが腹を立てるのも仕方のないことです。 理想を知ってもらって尚、それを無視されるのはとても…辛い」 「セイバーさんは切嗣と一緒に戦ったんやったな。そういえば。 あれとは合わんかったやろなぁ」 「…立場は私と似ていると思いますがあなたはどうしてそんなに平然としていられるのです?」 「ちゃうよ。平然とはしとらん。血の海見て気分は悪いし、 みんながしたことは私としては嬉しないことやけど、 何故そんなことしたかゆうたら私のためにしてくれたって、それを知っとるから。 怪我までして…説教してやらんと、と思とる」 「そうですか…あなたの大事なものは在り方ではなく家族でしたね」 408 :fateはやてルート109:2008/08/16(土) 14 54 27 ID Rgcl6M7E 「あの腕はシャマルのものだと思いますが。シャマルは無事なのですか?」 「大丈夫やないけど生きとる。シグナムに確認とった」 「それは、よかった…あれは私が見えないようにして持ち帰るとしましょう」 「見えない剣の応用というわけやな」 「はい。話は変わりますがはやて、クロノという者と会う気はありますか?」 クロノという名にピタリと動きを止める。 「驚いた、セイバーさんからその名前が出てくるなんて」 「放課後、校門前で待っているとのことです。今頃いるのでしょう。 会うとしても今のあなたの状態からすると私も同行しますが…」 「ええよ、ええよ遠慮はいらんて。今私は一人だと動くこともできんし、 私からも同席お願いするよ」 「わかりました。では肩を」 「で、黒野さんとあんたらの関係は?」 「ふふふ、知りたいー美綴?あたし達とクロノさんは秘密を共有する仲でさ~ な~?クロノさん」 「ああ。少しだけどな…」 「どーせ蒔寺のことだから飯だとか遊びの話なんでしょ」 「バーカそんなんじゃねぇって、もっとでっけぇんだよ。宇宙だよSFだよ」 「また始まっ――」 「蒔ちゃん!だめだよクロノさんが困っちゃう!」 「えっ三枝、もしかして少しマジ入ってんの?」 「あう、そ、そんなことないよクロノさんが宇宙人だなんて真面目に言ったりしないよ」 「三枝さん…」 「!?ご、ごめんなさい」 クロノに平謝りする由紀香を綾子は凝視し男をも見据える。 「あんた」 「宇宙人なんているわけない。気にすることは――」 「そうじゃないよ。こいつらとはなんか微笑ましい関係じゃないなって よくない感じ?あんま関わらない方がいい気がするんだ」 「…それは僕も同感なんだけど」 「ふふふ、いかんな美綴嬢、そこのいい男をそうやって独占する気かな?」 「はぁ!?」 口を大きく開き、目をも見開き信じらんねぇとばかりに絶句する。 「クロノさんは衛宮とはやてを取り合ってもいるからな参入するのなら速いことを勧めておくぞ」 鐘はどこからか取り出した羽扇を揺らし慇懃な態度で綾子に接する。 「あ、あのなぁ……お、衛宮だ」 「…衛宮士郎、無事だったか」 そんな五人の前に士郎は俯きハンドポケットのまま遅い歩調で現れた。 409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/16(土) 14 55 22 ID Rgcl6M7E 今日は以上です。 644 :はやてルート110:2008/08/24(日) 23 46 10 ID 5vHb3Eu8 「待てよ。士郎」 騎士甲冑を解き、私服姿になったヴィータは門へ歩いていく士郎の背中を追いかけた。 足取りが重い士郎にはすぐに追いつき、その血の気の失せた腕を掴んだ。 「離せよ。俺は、今は誰とも話したくない」 「…士郎達を騙してたのはさ…本当に、本当に悪かったよ。 けど、みんなの気持ちも少しは分かってくれよ」 「俺に…人殺しの気持ちを分かれって言うのかよ!遠坂は俺達との戦いは望んでなかった。 なのにっ!なのにっ!…」 士郎の心の中に渦巻く葛藤に耐えるように拳を握りしめ、歯を噛み締めている姿を ヴィータは悲しげに見上げた。 「士郎は本当ははやてのことなんてどうでもいいんだ」 「ち…違うっ!俺はできるだけ犠牲を出したくないんだ。もっと違うやり方があったはずだ!」 「あたし達は時間があんまり無いってわかってるからあんな方法をとった。 士郎の戦い方じゃ時間がかかる。あの遠坂って女との決着はどうするつもりだったんだよ」 「それは…互いに話し合って…はやての命がかかってるって知ったら遠坂だってわかってくれるはずだ…」 「あたしは遠坂ってやつのことはよく知らないけどセイバーの話だと二百年かけてこの戦いで勝とうとしてるんだろ? きっとそんな甘くないと思う。だからはやてはセイバーを隠匿しながら協力して 最後にはあたし達とセイバーであの女のサーヴァントを倒すって考えだった。 あたしもそっちでなら賛成した」 「…俺は聞いてない…」 士郎は不機嫌な顔をさらに渋くする。 「そ、そこはよ士郎は隠すなんて器用なことはできへんしってはやてが…さ」 「はやてまで俺を信じてなかったのか…そうなのか…」 感情も失せるほど消沈した士郎はヴィータに背を向け再び校門へと歩き出す。 「待てって!」 「まだ…なにかあるのかよ…」 ヴィータは士郎に追いすがり後ろから抱きすくめ止めようとする、が士郎はもう聞く耳持たないという様子だった。 「お前が…そんなこと言うなよぉ…はやてはお前のこと信じてるし、 頼りにしてるんだよ…士郎がそんなだったら誰がはやての支えになってやるんだよ…」 後ろからの声はあからさまに涙声となり始め、腰に回された腕も心なしか震えていた。 645 :はやてルート111:2008/08/24(日) 23 49 00 ID 5vHb3Eu8 「お前達がいるだろ…」 「違うっ…あたし達は結局ははやてを苦しめてる存在だ。 本当に全てわかって支えてやれるのはお前だけなんだよ」 「…俺だってはやてを苦しめてる」 「そんなことないっ!絶対ないっ!」 「ちょっ…おいおい、衛宮の奴小学生を泣かせてるぞ」 士郎とヴィータを数十メートル離れて眺め見ているのは故意ではなく ただ、成り行きでいきなり始まった事態を呆気にとられて眺めるしかなかったからであった。 それでも陸上部の黒豹や策謀の鐘やらは恰好の肴を手に入れたと舌なめずりせずにはいられない。 「フム、そして二人はただならぬ仲な様子。冷たくあしらおうとする衛宮に あの子がなにかせがんでいるようにも見えるな」 「くくく、あの便利屋にこんな危ない趣味があったとはねぇ。 こいつはスクープだ!明日の一面は決まりですぜ!」 「新聞でも作るのか蒔の字」 「へへへ、これをネタに衛宮を揺することもできますぜぇ。 美綴も衛宮に貸しの一つや二つあるっしょ?」 調子に乗りまくってきた黒豹に綾子はため息とともに呆れ顔になる。 「はぁ…こんなことでゆすれるなら苦労しないわよ。あの子は衛宮の義理の妹だよ、確か。 なんでランドセルしょったままここに来たかはしらないけど家の事情でしょ」 「そうだよ。衛宮君はそんな人じゃきっとないよ」 綾子に続いて由紀香がフォローを入れるがこんなことで収まるなら黒豹の異名はとらない。 「ぎ、義理の妹だぁ~なんだそりゃ!?お兄ちゃーんな世界か!?ああ!? 一体どんな恋愛シミュレーションだっつーの、衛宮のクセに!」 「蒔ちゃん酷いよ」 「あの子が義理の妹か。まぁ、衛宮の家庭が特殊なのは事実だ。 情報に拠れば本当の両親はすでに亡く親は養父。その人も亡くなったらしい。 はやてもその養父の養女。養父の後妻に後妻の連れ子に後妻の妹。 ん、なんとハーレムではないのかあの男」 「ががが…衛宮のクセに…」 「あの子は気が強い感じだったけど泣くなんてどうしたんだろうね。 衛宮もなんからしくないしあたしはその方が心配だよ」 「そうだね」 唸る楓とは逆に綾子と由紀香は二人を思んばかりじっと見つめる。 646 :はやてルート112:2008/08/24(日) 23 51 42 ID 5vHb3Eu8 「離せよ…」 「士郎が機嫌直してくれるまでは…このままだからな」 後ろからがっちり掴んで離さない。頑なな士郎にヴィータもまた 顔を膨らせ意地になっていた。 「いつまでやってる気だ…」 「士郎次第だぞ。嫌だったらその拾った黒い剣であたしを斬ったりすればいいじゃんか」 「そんなことできるわけないだろ。確かにこの剣は―――」 「魔力!?――」 士郎が黒い剣を持ち上げ刀身に目を通したときそれは起こった。 突如、刀身から解放される膨大な魔力の奔流。 爆発的に拡散する魔の暴力は轟音を響かせ周囲数メートルを抉りとった。 「うわ!?」 「下がれ!」 士郎達を眺めていたクロノ達の前で突然の爆発。考えられない事態に固まる綾子達、 わいわいと賑やかな空気の中では、我関せずを貫いていたクロノは この異変には素早く反応し、綾子らの前へ立つ。 爆風とともに五人に襲いかかる砂塵、つぶて、魔力の負荷を加えられたそれらは 鋭い脅威をもって全方位へ弾け飛ぶ。 クロノが爆発方向に対し手をかざすと、そこには水色に光る輪が展開され、クロノ達全員を包み込んだ。 つぶてはけたたましい打撃音を発生させ、光に激突するも水色の光は微動だにしない。 「黒野さん!衛宮達が!」 「美綴だったか離れるな。危険だぞ」 「はっ…はい。でも!」 4人の女子の中で綾子はこの異常の中何が起こっているのか冷静に判断し、理解していた。 それ故に飛び出したい衝動に駆られたが思い虚しくクロノに制止された。 「あいつらなら無事だ。横を見るんだ」 「えっ!?」 クロノの見る方向を見ると綾子の目に映ったのは、クロノとは別の赤い光に覆われたヴィータと ヴィータに抱えられた士郎の姿だった。爆心地から実に三十メートル。 わずかの時間でそれだけ移動している、綾子にとってそれだけでも驚異的な出来事だった。 魔力によって巻き起こった暴風はやがて沈静化する。 そんな中いち早く動いたのはヴィータだった。 647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/24(日) 23 54 41 ID 5KZL0z0i しえん 648 :はやてルート113:2008/08/24(日) 23 56 24 ID 5vHb3Eu8 「士郎!士郎!」 地面に横たわっていた状態から飛び起き、無反応な状態で抱えられている士郎の上半身を起こして揺すり意識を確かめる。 必死の形相で名前を呼び続けると士郎はうっすらと目を開いた。 「聞こえてるよ…それにそんなにゆするなって…助かったのか…ありがとうなヴィータ」 「バカやろうっ!驚いたじゃねぇかよ!本当にびっくり…させやが…てぇ… バカ…やろ…」 苦笑いを浮かべる士郎と泣きべそをかくヴィータ。 あの爆発の瞬間とっさに騎士甲冑を纏い、プロテクションを展開して士郎を抱え前方へ跳躍したが ヴィータの感覚では防御範囲が士郎をカバーするまでに少しばかり誤差があり、 いくらかの衝撃が士郎にいったはずとヴィータは認識していた。 ヴィータ自身も出血をしている以上士郎の状態は安心できるものではない。 「制服が…ボロボロ…だぞ…シャマルやはやてが…さ…困るじゃねぇかよ。 シグナムは笑うかもしんないけど。どこか痛くないのか?」 「痛みを感じたと思ったんだけどな…どこも痛くない」 「士郎は鈍いから…って頭から出血してるじゃねぇか!なんで気づかなかったんだあたしは」 わたわたとハンカチを取り出すと額に添えた。 「いや、これは俺の血じゃない。きっと遠坂とヴィータのだ。貸せって」 「あ…」 ハンカチを取り上げると破れた騎士甲冑の隙間から見える血を拭っていく。 「帰ったらちゃんと治療してやるからな。ちょっとここ持ち上げるぞ」 「!?いいって…そんなの」 「遠慮するなって」 「そうじゃなくて…さ……さっきから何見てやがるんですか?」 ヴィータが顔を向けた方向には二人を見つめる5つの視線。 1つは無関心、2つは心配気に…もう2つは興味津々といった様子。 「ふむ、この不可解な状況の中私の理解が及ぶ範囲でまず納得しておこうかと。 ニヤニヤできる程仲がよい。私はいいことだと思う」 「衛宮の趣味はよくわかったしね~充分楽しませてもらったぜぃ」 「は?何のことだ?」 「いや、なに衛宮がハンカチで拭ってやってる時のその子の照れ顔はなかなか絵になっていた。 仲がよくなければそんないい絵にはならない」 649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/24(日) 23 58 05 ID 5KZL0z0i しえんっ 650 :はやてルート114:2008/08/24(日) 23 59 38 ID 5vHb3Eu8 「そうなのか?」 ヴィータに視線合わせるあからさまに視線をそらした。 「し、しらねぇ…」 「むふふ、かわいい、かわいいねぇ、照れちゃって」 追い討ちをかけるように黒い獣の忍び笑い。その笑いに ヴィータのイライラゲージがあっという間に溜まっていく。 「士郎!いくぞ!」 「うっおい!?」 身長差が数十センチある体格差をものともせず士郎の腰を一掴にみすると 脇腹に抱えて駆け出す。 「どうも失礼しますです!」 「あ、あ気をつけてくださいね」 「衛宮をよろしくね」 「夜間の単独行動は控えておけよ」 心配と無関心を向けていた三人の言葉を背中で受けてヴィータ達は校門を抜けていった。 「二人も学友達も無事だったようですよ、はやて。マスターをまた守られるとは 私の立つ瀬がないとも言いますが…頼りになる妹分です」 「そ…やな…さすがヴィータや…」 「…苦しそうですね…急ぎましょう」 セイバーの肩を借りたまま階段の窓から、見下ろすはやては呼吸も荒く目も虚ろだった。 はやての容態の急変はあまりに急過ぎた。セイバーはそんなはやてを厳しい顔つきで見つめる。 明らかに昨日より悪化している様子にシグナム達の焦りを少し、共有した気分だった。 「はやてっ!あんたどうしたのっ!」 「持病の…体…調不良といった…とこやな…」 校門前に未だいたクロノ達の前まで来た時、全員目の前の姿を意外に感じた。 快活な雰囲気は微塵も無く顔色も真っ青で弱々しい。 無関心を貫いていたクロノさえ驚き、腕組みを解き注視する。 「サーヴァント、今の様子だと碌に話もできないだろう。今日はゆっくり休ませるべきだ」 「ええ、そうするつもりです」 「そんな…気に…せんでも」 「何を言っているのです!今のあなたには喋らすだけでも危うい。 すぐに家に戻ります。クロノあなたはこの子達を送ってあげてください」 「そうだな」 門の前でセイバー達とクロノ達は別れた。異常なことが続き学生4人は落ち着きがなく ちらちらとセイバー達の帰った方向を振り返っていた。 651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/25(月) 00 00 14 ID MnWnxLqW 今日は以上です